投資のアドバイスは誰にもらうべきか？　バビロンの大富豪に学ぶ

　世の中には有象無象の投資情報が溢れている。「いい株がありますよ」と甘言を囁く証券マンや“投資のプロ”と称する人間も少なからずいる。本気でお金持ちになりたい時、誰のアドバイスを聞くのがよいのか。これまで多くのお金持ちに接してきたファイナンシャル・プランナーの藤川太氏（家計の見直し相談センター・代表）は、以下のようにアドバイスする。

　＊　＊　＊
　お金持ちになるための「普遍的な知恵」が散りばめられた『バビロンの大富豪』（ジョージ・S・クレイソン著）という世界的名著があります。そこには、次のような逸話が描かれています。後に古代都市バビロンの大富豪となるアルカドがまだ若い頃の失敗談です。

　師である豪商アルガミシュの教えを受け、収入の1割を着実に貯蓄していたアルカドは、それを元手に投資することを思いつきます。そこで知人のレンガ作り職人に相談して宝石を購入すると、それを聞きつけたアルガミシュはこういいました。

〈なんて馬鹿なことをしたんだ。星座のことを知りたいとき、お前はパン屋に行くか？　違うだろう。宝石について知りたいなら宝石商のところへ行け。羊についてなら羊飼いのもとへ、だ。そうすれば適切な助言がもらえるはずだ。そのうえで、お前が役に立つと思ったものだけを取り入れていけばいい〉（藤川氏・監修『大富豪が教える成功法則』より）

　その後、案の定、アルカドは失敗します。

　支出を減らしたいのであれば、節約上手な親兄弟や友人、知人でもよかったかもしれませんが、こと投資となると、そうそううまくいくものではありません。そもそも“うまい儲け話”はゴロゴロ転がっていませんし、マネー誌で目にしたり、自分が耳にした時はすでに大勢の人が知っていたりするものです。まして真のお金持ちでもない人に、証券会社の営業マンが貴重な投資情報を伝えてくれるわけもありません。