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中国人が住む場所や国籍には全くこだわらない理由

中国には一人で暮らすという発想がない?(上海)

 日本人のほとんどは、中国人の「働き方」を理解していない。20年近く中国各地を訪ね歩き、『言ってはいけない中国の真実』(新潮文庫)を上梓した橘玲氏と、上海の寿司店の職人やホストなど、さまざまなアルバイトを経験し、『ルポ 中国「潜入バイト」日記』(小学館新書)を著わした西谷格氏が、「日中の労働者」の価値観の違いを語り合った。

橘:中国人は仕事に関してドライで、職場を第一に考えるという意識がない。中国人には、家族や“朋友”しか信用しないという哲学が根底にある。朋友は「同門の友」という意味で、日本でその関係にいちばん近いのはヤクザの義兄弟です。

 問題になっている情報漏洩も、朋友から「調べてよ」と頼まれたら嫌と言えないから。会社よりも朋友への忠誠心のほうが高い。

西谷:日本人とは逆。

橘:どうしてそうなったのかというと、中国は人が多すぎるから。競争が激しすぎて、騙す人間がたくさんいる。だから、信用できる助け合いネットワークがないと生きていけないんです。

西谷:中国に移り住んだとき、私も「知り合いや家族は住んでるのか?」とやたらと聞かれました。「いない、一人で来た」というと、「よく生きていけるね」とびっくりされました。

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