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見ている人は見ている… ある就活生が経験した“人命救助”の顛末

電車内で人助けをした後、もらった名刺には…(イメージ)

 意味を間違えて使われる代表的なことわざの1つが「情けは人のためならず」だ。「情けをかけるのは、その人の為にならない」と誤解されがちなこのことわざの正しい意味は、「情けはやがて自分に返ってくる」という意味だが、都内在住の40代の男性・Aさんは、このことわざを地で行くような経験をしたことがあるという。

 それはAさんが大学生だった時のこと。運動部に所属していたAさんは、練習を終えて仲間とご飯を食べ、家に帰るために電車に乗っていた。時刻はすでに23時過ぎで、車内はかなりの混雑度。Aさんが吊革に掴まって本を読んでいると、突然背中を強く押され、ゴトンと大きな音がした。Aさんが振り返ると、60~70代の男性が倒れており、頭から血が出ていた。Aさんが振り返る。

「倒れた男性の一番近くにいたのが自分だったので、とりあえず『大丈夫ですか?』と話しかけました。しかし返答がなかったのでマズいと思い、『誰か手伝って下さい』と周りに声をかけ、倒れた男性を次の駅で降ろしました。降ろすのを手伝ってくれた男性以外は、ことの成り行きを見守っているだけで、一切何もしてくれなかったことをよく覚えています」

 やむなく目的地より手前の駅で電車を降りたAさんは、降ろすのを手伝ってくれた男性に「駅員を呼んできます。それまでこの人を見ていて下さい」と言い残し、駅員を呼びに行った(当時は携帯電話が普及する直前だった)。そして、駅員に事態を説明し、駅員と共に倒れた男性のもとに戻り、駅員が担架を持ってくるかどうかでマゴマゴし、救急車を呼ぶことになり、到着した救急隊員に事情を伝え……といったことをしているうちに小一時間が経過し、無情にも終電はなくなっていた。

 駅員からは何の言葉もなく、途方に暮れたAさんが歩いて帰ろうとしていると、同じく救護にあたった男性から声を掛けられた。

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