中川淳一郎のビールと仕事がある幸せ

「コミュ力の高い学生」は社会に出てからの活躍も期待できるワケ

別の世界の人間に声をかけることで、世界は広がっていく

 今年の春、「おっさんの全オゴリで学生様にタダ酒を飲んで頂く会」をウェブライターのヨッピー氏が主導し私も参加したのですが、この時も実に積極的に人に話しかける「コミュニケーション能力抜群」の学生が多数いました。A君にも同会に参加した学生と似たようなにおいを感じたのですが、学生のようにまだ仕事の実績がない状態だと、コミュニケーション能力は極めて重要だと感じました。

 というのも、学内の人間やバイト先の人間とだけ付き合うよりもガンガンと別の世界の人々に臆することなく声をかけることによって世界が開けていくからです。それにより、彼はこれから突入する就活戦線でも学生時代の幅広い豊富な体験を語れるほか、就職後もそのコミュニケーション能力で培った「人脈」を駆使して仕事を円滑に回せることでしょう。

 私も仕事を初めて今年で21年目ですが、これまでに会ってきた成功者はいずれも「面識のない人へのアプローチを躊躇しない」ところにあるように思います。私も元々は引っ込み思案な性格でしたが、2001年にフリーになった後、博報堂ケトル共同CEOである嶋浩一郎さんと一緒に仕事をするようになり、変わりました。

「〇〇さんが出てくる企画をやりたいけどどうアプローチすればいいですか?」と聞いたところ、「電話すりゃいいじゃん」と一言言われました。

 確かにその通りなんですよ。誰かに企画を手伝ってもらいたいのであれば、電話をすればいいのです。A君の場合は、たまたま飲み屋で隣にいた私に対して「学園祭に出てもらえますか?」と言う勇気があった。彼は友人2人と店に来ていたのですが、その枠内での会話に終始することなく、他の客にも積極的に声をかけ、人間関係を広げていきました。

 私と前出の編集者が次に会った時も彼の話題になり、「ああいう若者が将来的に石原さとみと交際するような人物になるんだろうね」「敵わないね」と話し合いました。コミュニケーション能力のある学生を揶揄する向きはありますが、決して軽く見てはいけない能力だと今回A君に会って感じ入った次第です。

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