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未払い年金があるかもしれないのはどんな人? 「年金探偵」が解説

未払い年金があるのはどんなケースか?

未払い年金があるのはどんなケースか?

〈あなたのものと思われる年金記録があります〉──そう書かれた「ねんきん特別便」の葉書を、どこかにしまったままにしていないだろうか。

 11年前、旧社会保険庁の記録ミスなどで受取人不明の年金記録が約5000万件にのぼることが発覚。いまなお約2000万件分の年金が本来の受給者のもとに戻らないままだ。総額は定かではないが、数兆円に及ぶとも言われている。

 特別便が届いて年金事務所に出向いたものの、結局、昔の記録が見つからなかった人も少なくない。

 福島在住の70代女性のAさんは中学卒業後、縫製工場を経営していた叔父のもとで、定時制高校に通いながら、工場も手伝った。高校卒業後、化粧品会社に勤め、結婚して故郷の福島に戻った。受け取っている年金は、化粧品会社勤務時代のものだ。

 そこでAさんの話から「工場の従業員扱いだったのではないか」と見当をつけて年金記録を調べたのは、社会保険労務士の柴田友都氏だ。柴田氏は「年金探偵」と呼ばれ、年金記録を戦前までさかのぼって調べ上げ、これまでに5000件もの年金支給漏れ(請求漏れ)を発掘した「取り戻しのプロ」だ。

 柴田氏の調べで、工場は40年近く前に閉鎖されていたが、3年分の厚生年金加入記録が見つかった。その結果、Aさんは未払い分の年金約170万円を取り戻したうえ、2か月毎に振り込まれる年金額が約1万7000円増えた。柴田氏がいう。

「転職が多かったり、勤務先が合併、社名変更した経験のある人は要注意です。また、女性であれば、結婚前に会社勤めをしていたり、家事手伝いをした実家の小売店が会社組織だったなどのケースでは、未払い年金がある可能性を疑ってみたほうがいい」

 徹底した「探偵」の捜査で、年金が返ってくることも少なくないという。

※週刊ポスト2018年11月30日号

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