投資

【ドル円週間見通し】米利上げペースの減速意識で上げ渋りか

今週のドル・円相場は上げ渋りか

 投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が11月26日~11月30日のドル・円相場の見通しを解説する。

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 今週のドル・円は上げ渋りか。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペースの減速が意識されている。欧州発のリスク要因でユーロやポンドは下落基調が続いており、ドル選好の地合いが一変する可能性は低いものの、今月に入り、FRBのパウエル議長をはじめ当局者からのハト派寄りの見解が目立つ。足元ではクラリダ副議長が政策金利は中立的な水準に近づいているとしたほか、カプラン・ダラス連銀総裁が欧州と中国の減速で米経済が影響を受ける可能性に言及している。

 こうした姿勢は引き締め継続期待を弱めているとみられる。28日発表の7-9月期国内総生産(GDP)が低調な内容となった場合には、腰折れ懸念からドル売りに振れやすい見通し。また、29日公表の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨でハト派寄りのトーンが示されれば、12月利上げ観測は低下し、ドルは一段安となりそうだ。一方、トランプ米大統領と習近平・中国国家主席は11月30日-12月1日開催の20カ国首脳会議(G20)で首脳会談を開く予定だが、そこで対立が解消しないとドル買いは入りにくいだろう。

 ただ、欧州通貨売りを背景に、ドル選好地合いがただちに変わる可能性は低いとみられる。欧州委員会はイタリア政府の財政赤字超過を問題視し、制裁手続きに入った。また、ブレグジットで英国の政治情勢は行き詰まっており、投資家はユーロとポンドに対して弱気になっていることはドルに対する支援材料となる。

【米・7-9月期国内総生産(GDP)改定値】(28日発表予定)
 28日発表の7-9月期国内総生産(GDP)改定値は、拡大基調を維持できるか注目される。速報値は4-6月期の+4.2%から+3.5%に成長は鈍化したが、改定値では+3.6%への上方修正が見込まれる。ただ、市場予想を下回った場合は減速懸念でドル売りが強まりやすい。

【米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨】(29日公表予定)
 11月7-8日開催分の連邦公開市場委員会(FOMC)の議事要旨が29日に公表される。ハト派寄りの意見が多く含まれていた場合、2020年まで利上げスタンスは継続しないとの観測が広がろう。12月利上げ期待もやや低下しており、ドル売りが本格化しそうだ。

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