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貯蓄ができる保険のワナ “積立金”は保険会社の人件費に消えていく

貯蓄型の保険には注意が必要(イメージ)

貯蓄型の保険には注意が必要(イメージ)

 その保険、本当に必要なのだろうか? 保険に関する多数の著書がある「保険相談室」代表の後田亨さんが、保険に関するさまざまな相談に回答する。今回は、貯蓄ができる保険のカラクリについて解説する。

【相談者】松尾さん(静岡県在住)夫57才・妻53才・子供1人(高校生)

「お世話になっている保険の営業マンにすすめられ、夫が40才の時に、60才満期で積立金が全額返ってくる死亡保険に加入しました。売り文句は『保険で資産形成』でした。保険で貯蓄ができるなんて、一石二鳥ですよね」

【回答】
 保険の営業マンが訪ねてきて、「積み立てなので貯金と一緒」とか、「預金よりお金が増える」などと話し始めたら要注意。後田さんが話す。

「20年、30年後に100万円が100%戻ってきたとしても、そのお金が加入当時と同じ価値とは限りません。将来インフレになったり、消費税がさらに上がることだって充分考えられます。

 そもそも、保険を貯蓄のために利用するのは間違いです。なぜなら、保険は加入者が支払った保険料のすべてが積み立てに向かうわけではないからです。保険料から経費や人件費、代理店への手数料、テレビCMの放映料や出演タレントのギャラなどが差し引かれ、マイナスの状態から積み立てがスタートします。そのため、加入後早い段階で解約すると『元本割れ』し、元が取れるまで10年を超えることも珍しくありません。

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