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貯蓄ができる保険のワナ “積立金”は保険会社の人件費に消えていく

 積立や運用目的の保険では、手数料の多さが商品の価値に直結します。代理店などの取り分が運用に回ることはないからです。商品や会社によりますが、1年目の保険料の50%超が代理店手数料に消えることも珍しくありません。自分のお金が半分以下に減ってからスタートする積み立てや運用が、有利なはずがありません。自分で個人向け国債などを運用するほうが賢明です。

 生保各社は手数料など契約に要するコストを公表していませんが、その時点で『怪しい』と判断してよいのです」

 お金を貯めるだけなら銀行に預けている方が良いし、「つみたてNISA」や「iDeCo」を利用して運用した方がよっぽどお得だ。代理店や保険会社に“法外な手数料”を払ってまで「貯蓄ができる保険」にお金を払う価値はない。

 貯蓄性の保険といえば、最近では日本生命の『グランエイジ』や第一生命の『ながいき物語』など、長寿時代に対応した「トンチン年金」と呼ばれる保険に各社力を入れている。

 これは、死亡保障をなくし、保険料払い込み期間中に解約した場合の払戻し金額を低くして、長生きした場合の給付金額を増やす商品。支給開始年齢までに亡くなると、払い込んだ保険料より払い戻し額は少なくなる。

 おおむね90才前後まで長生きすると元が取れ、それ以上長生きすると支払った保険料以上のお金が受け取れる。

「70才まで1000万円支払い、一生涯で1200万円受け取るような保険は、もはや“保険”とは言えません。数十年間かけて200万円を生み出す方法は保険以外にあるはずです」(後田さん)

※女性セブン2019年1月3・10日号

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