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セブン&アイとイオン、2大流通グループの創業家めぐる課題

セブン&アイHD名誉会長の伊藤雅俊氏(写真:時事通信フォト)

セブン&アイHD名誉会長の伊藤雅俊氏(写真:時事通信フォト)

 セブン-イレブンを成長させた立役者としてセブン&アイ・ホールディングスに君臨してきた鈴木敏文会長兼CEOが突然の引退を発表して丸3年が経つ。表面的には社長人事を巡る対立が引き金だったが、背後には創業者で大株主の伊藤雅俊・名誉会長との確執があったとされる。

 不祥事などをきっかけに経営の一線を退いた伊藤氏は、セブン&アイのカリスマ経営者になっていった鈴木氏に全幅の信頼を寄せ、異論を挟むことはなかった。それが突然、鈴木氏の提案する人事を大株主として認めない、という行動に出た末に、鈴木氏が自ら身を引く形になった。

 当時、鈴木氏は「世代替わりがあった」という意味深長な言葉を述べている。どうやら雅俊氏本人というよりも、次の世代の創業家の周辺が、鈴木体制に不満を持っていたというのだ。

 伊藤家の第2世代は、人事権を握っていた鈴木氏が、自らの子供を後継にしようとしているのではないか、と疑っていたという。もともと社外にいた次男の鈴木康弘氏を2014年末にグループのIT(情報技術)責任者に抜擢、翌年にはホールディングスの取締役にいきなり据えた。この人事を見た創業家は危機感を募らせたとされる。

 鈴木家の凋落とは対照的に俄然注目されることになったのが、伊藤雅俊氏の次男、伊藤順朗氏だ。

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