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「大人のひきこもり」を誘発した団塊世代の親からの過剰な期待

親の支援で生活している「中高年のひきこもり」は少なくない(内閣府「生活状況に関する調査(平成30年度)より作成)

親の支援で生活している「中高年のひきこもり」は少なくない(内閣府「生活状況に関する調査(平成30年度)より作成)

「大人のひきこもり」が社会問題としてクローズアップされている。内閣府は今年3月、初めて中高年(40~64才)を対象にひきこもりの実態調査「生活状況に関する調査(平成30年度)」を実施し、中高年のひきこもりが全国に61.3万人いることがわかった。

 典型的な中高年のひきこもりのイメージは、年老いた両親(80代前後)がひきこもりの子供(50代前後)の生活の面倒をみる「8050問題」のように、「老親と同居する独身の子供」というものかもしれない。だが現実には、正社員として就職した後に家庭を築いてから、仕事や職場でのつまずきがきっかけで退職し、配偶者や子供と同居しながらひきこもりを続ける人も少なくない。

 統計上、ひきこもりには男性が多いので、「妻や子供と暮らす夫がひきこもる家庭」がかなり存在すると考えられる。

 このように親と別居するひきこもりは多いが、そうはいっても「別居」と「経済的独立」は別のことだ。ひとり暮らしをしていたり、配偶者と暮らしていたりしても、実態は、多くのひきこもりが親からの援助で生活している。

 生計を立てている人は誰かを聞いた内閣府調査によると、約34%が「両親」、次いで「ひきこもり本人」が29.8%だった。ひきこもり本人が生計を立てられている理由は、貯金のほか、親の遺産が大きく反映されているとみられる。そのため、いずれにしても、ひきこもりには親の支援が不可欠であることを示している。

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