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大阪G20 米中問題解決どころか効果的な合意はひとつも望めない

G20サミットでどのような合意がなされるのか(左からトランプ米大統領、安倍晋三首相、習近平中国国家主席。AFP=時事)

 6月28日から、主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が大阪で始まっている。既に27日から、外交交渉はスタートしている。

 今回の大阪G20で特別に注目されているのは米中首脳会談だ。ただし、結論を予想するならば、米中首脳会談でも、米中貿易摩擦問題は解決しないし、大きな進展も期待できない、と考えている。

 それでも、せっかく米中の首脳が会談するのだから、何かしらの合意は発表されるのだろう、と予想する。その合意は本質的な解決策ではなく、米中首脳会談が実施されたことに対するパフォーマンスと考える。

 全くの合意も無く決裂する可能性もあるのだが、米中首脳はそれぞれの自国に対して政治的なパフォーマンスを示す必要があるので、決定的な決裂は避けるだろう。

 今回の大阪G20そのものにしても、結論を予想するならば、大した成果は望めないのではないか。

 このところのG20の声明では、「保護主義に対抗する」という文言が削除されている。米国が保護主義的な政策を採っている以上、今回の大阪G20の声明でも「保護主義に対抗する」という文言を盛り込むことはできないだろう。そうなると、取るに足りない合意を、大々的に美化し、自画自賛するだけに終わるのではないか。

 もっと辛辣に言うならば、今回のG20で効果のある合意はひとつも無いだろう。確かに、世界中のそれぞれの国家の代表が集まるのだから、「何も無い」では身も蓋も無いが、そもそもG20は効果的な合意を形成できる場ではない。

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