田代尚機のチャイナ・リサーチ

中国で急成長するAR・VR市場 注目企業の数々

 アプリの大衆化が急速に進んでいるわけだがその中で最近、AR(拡張現実)、VR(仮想現実)を利用したミニプログラムが増えている。化粧品、衣料品、レストラン・出前、企業展示、教育、不動産、自動車販売、旅行など、様々な業界で提供者が増えている。今後、5G時代に入り、通信速度が格段に速くなることで、AR、VRの使い勝手が格段に向上し、市場規模は急拡大するだろう。

 IT専門調査会社のIDCは、最新の調査で「2023年における中国のAR、VR市場規模は652億1000万ドル、2018年から2023年までの5年間における年平均成長率は84.6%に達する」と予想している。特に、研修、教室、実験室、医療分野(解剖、診断)をはじめ、ゲームや各種消費サービス、流通、建設などの領域で利用が進む。こうした分野が牽引する形で5Gは急速に普及しそうである。

 中国本土AR、VR関連の業界で、業績見通しが良く、中長期にわたり成長が期待できそうなのは、家具メーカーの索菲亜家居(002572、深センA株)、オンラインゲームの開発を行う杭州電魂網絡科技(603258、上海A株)、教科書、教材などに強みを持つ出版社である江蘇鳳凰出版伝媒(601928、上海A株)、仮想移動体通信事業者(MVNO)の二六三網絡通信(002467、深センA株)、光学フィルムメーカーの浙江水晶光電科技(002273、深センA株)、プロジェクター、大型ディスプレーなどを製造する中光学集団(002189、深センA株)など。需要サイドにより近い製品に関連する企業が有利ではないかと考えている。

文■田代尚機(たしろ・なおき):1958年生まれ。大和総研で北京駐在アナリストとして活躍後、内藤証券中国部長に。現在は中国株ビジネスのコンサルティングなどを行うTS・チャイナ・リサーチ代表。メルマガ「田代尚機のマスコミが伝えない中国経済、中国株」(https://foomii.com/00126/)、ブログ「中国株なら俺に聞け!!」(http://www.trade-trade.jp/blog/tashiro/)も展開中。

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