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ビジネス

葬儀会社の社長が明かす、葬儀ビジネスの実情と今後の展望

葬儀ビジネスはどう変化していくのか(イメージ)

葬儀ビジネスはどう変化していくのか(イメージ)

 最近では冠婚葬祭にかけるお金を縮小したいという人も多いというが、関東近郊で葬儀会社を経営するA氏(60代)は、「業績は好調」だと明かす。別の葬儀関連企業での勤務を経て、数年前に独立を果たしたA氏に、葬儀ビジネスの実情を聞いてみた。

従業員1人あたりの売上高が高い

「必ず需要がある割に、社員数が少なくても経営できる点がビジネスとしての魅力です。通夜や告別式の規模によってはアルバイトを雇うこともありますが、葬儀進行の係員、霊柩車の運転手、火葬担当の3名がいれば成り立ちます。つまり従業員1人あたりの売上高が高いということです」(A氏・以下同)

大都市を中心に増える「直葬」

 実は、葬儀や告別式は行う必要はなく、義務とする法律も存在しない。そのため、最近では通夜や告別式や宗教儀式を行わずに、火葬のみを行う「直葬」という葬儀形態も増えている、とA氏は言う。

「直葬であれば、火葬代や、棺や花の支払いだけで済むため、総額20万円以内に抑えることも可能。“コスパ”も良く、特に大都市圏を中心に増えています。一方で、地方ではまだまだ広い会場で華美な装飾を施すような、盛大な葬式も根強いと聞きます」

大事なのは「口コミ」と「人脈」

 大手葬儀会社は、生前から死期に向けた“囲い込み”を行っている。「生前積立」という制度により、月々数千円の掛け金で葬儀費用を払っておくというものだ。遺族は積立金額があるため、その葬儀会社を利用するケースがほとんど。だがAさんの会社には、大手のような「生前積立」の制度や、ネット上の検索やホームページ経由で仕事を取りに行く余力はない。そのため仕事のほとんどは、口コミ経由だ。

「一番重要なのは、人脈です。商店街の掃除当番などの地域での活動や、地元の同級生との交流は欠かせません。通夜や告別式の準備は、不幸があってから24時間以内に行われるので、その際に思い浮かべてもらうことが理想です」

 Aさんは、24時間いつでも電話がかかってくる点を除けば、葬儀の仕事を魅力的と感じている。喪主の挨拶で思わず涙することもあれば、とりわけ若くして亡くなる方からは、人生の短さについて考えさせられることも多いという。

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