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カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

米中貿易協議、英国総選挙、FOMC… 相次ぐイベントは為替市場にどう影響したか

英下院の総選挙では、ボリス・ジョンソン氏率いる保守党が大勝(Getty Images)

 12月中旬は、米中貿易協議「第1段階」の合意、イギリスの総選挙、連邦公開市場委員会(FOMC)と、為替相場にインパクトを与えそうな経済・政治イベントが続いたが、市場はどう反応したのだろうか。各イベントのマーケットへの影響について、FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。

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 12月15日に米中貿易協議が第1段階の合意としてまとまり、アメリカが中国製品に課している関税の内、1200億ドル相当に及ぶ「15%関税率」部分では税率を半減させ、2500億ドルほどの「25%関税率」部分においては、現状維持の方針となりました。他にも中国は米国農産品の輸入を年間500億ドル規模で行う予定で、これは中国国内で蔓延する豚コレラの問題や経済状況も考慮してのことでしょう。

 米中の貿易交渉は進展を見せましたが、日本株やドル円の価格形成にはさほどの影響を及ぼさず、価格は往って来いの状況が続きました。市場ではこの結果を事前に織り込んでいたと思われます。また、動意が薄かったのは12月に入りマーケット参加者が少なくなっていたことも関係しているかもしれません。

 12日に実施された英下院の総選挙では、ボリス・ジョンソン氏率いる保守党が大勝。目先の合意なきEU(欧州連合)離脱が後退したことを受け、ポンド円は約4円も急騰しました。今年のポンド円は最安値と最高値の差が約22円もあり(ドル円は8円程度)、「殺人通貨ポンド」の異名どおりに大暴れしました。

 ただ、イギリスに関して少し気になるのがスコットランドの独立問題です。スコットランドでは2014年に独立を問う国民投票が行われ、そのときは否決という結果に終わりましたが、先日のイギリス総選挙後に、スコットランド国民党の党首二コラ・スタージョン氏が独立の是非を問う国民投票実施を公約に掲げ、党の議席数を伸ばしています。もしかしたら今後、スコットランド独立問題が再び話題に上ることもあるかもしれません。

 10-11日に開催されたFOMCですが、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は必要に応じて利付債購入の可能性に踏み切ることに言及。緩和策への余地を残すメッセージを発信しながらも、当面の利下げは一旦休止にするということで、マーケットの予想通りの結果となり、ドル円はもみ合いで推移しました。

 個人的には、こうしたファンダメンタルズの材料だけを頼りにトレードするのではなく、チャート分析を徹底的に行うことを心がけています。実際、大きな経済・政治イベントの前に、チャート上に売買サインが現れることも少なくありません。トレードを成功に導くためには、どのような情報が相場に影響するのかを見極め、自身のトレードへいかに活用するかが求められます。投資初心者の人はそうした視点と共に日々のニュースをチェックするのがよいと思います。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

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