ライフ

殺伐としたコロナ社会で心温まる出来事も 40代女性のマスク物語

マスクは全国どこでも入手困難になっているが…(写真:時事通信フォト)

マスクは全国どこでも入手困難になっているが…(写真:時事通信フォト)

 新型コロナウイルスの感染拡大で、「マスクの転売」「トイレットペーパーの買い占め」など、人々の利己的な行動が全国的に報じられているが、人の優しさは失われたわけではない。生活に密着する地方紙ならではの、思わずほっこりするエピソードを紹介しよう。

 埼玉県ふじみ野市に住む女性会社員Sさん(42)は、3月初旬の早朝、路上で見知らぬ中年男性に話しかけられた。

「午前5時半頃、マスクを購入するためにドラッグストアの前に1人で並んでいたら、ふらりと男性が現われました。

 少し遠くでタバコを吸いながらこちらを見ていたのですが、近づいてきて『この店で何かイベントでもあるんですか』と声をかけられたのです」(Sさん)

 ひどい花粉症でマスクがないと外出できないこと、どこにも売っておらず困っていること、何としても手に入れたいので開店前から並んでいること……Sさんが事情を説明すると、男性は「大変ですね」と言い、その場を立ち去ったという。

「ところが40分ほどして男性が戻ってきて、『これ、少ないですけどどうぞ』とビニール袋を手渡されました。

 私は反射的に『ありがとうございます』と受け取ったのですが、男性はそのまま行ってしまいました」(Sさん)

 家に帰って袋を開けると、未使用のマスクが6枚入っていた。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。