カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

史上最安値を更新したトルコリラ円はもう底打ちしたのか

5月に1トルコリラ=14円台まで下落したが、今後はどう動く?

5月に1トルコリラ=14円台まで下落したが、今後はどう動く?

 今年5月7日にトルコリラ/円は1トルコリラ=14.61円の史上最安値を付けたが、その後徐々に反騰して6月中旬現在は15円台で推移している。高金利通貨であることからFX(外国為替証拠金取引)ユーザーからも人気の高いトルコリラだが、はたして今後どのように推移するのだろうか。FXのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが、トルコリラの見通しを解説する。

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 トルコも新型コロナウイルス感染拡大により経済へ大きなダメージを受けましたが、6月に入り外出禁止令が緩和され、経済の回復も徐々に見込めるようになってきています。

 今後のトルコリラの推移を見通すうえで、まずは政策金利と消費者物価指数(CPI)上昇率から計算する「実質金利」に注目してみます。政策金利は5月21日にトルコ中央銀行が8.75%から8.25%に利下げしました。5月のCPI上昇率は前年同月比で約+11.4%と大幅に上昇。

 そこで実質金利を計算してみるとマイナス3%を超えており、今後のトルコリラ安に繋がりかねない要因も見て取れます。しかし、トルコ政府によるコロナに対する経済対策や景気刺激策も予定されているため、大きくトルコリラ安に陥る可能性は低いと見ています。

 こうしたファンダメンタルズを踏まえたうえでチャート分析をしてみると、1トルコリラ=14.61円で一旦底打ちのサインが確認できました。

 私も何度かトルコを訪れていますが、個人的にはトルコの経済はそこまで暗くないと考えています。トルコという国は昔からの富裕層が多くいる印象です。トルコ経済を大きく支える観光業はコロナの影響で沈んでいるものの、その他の産業等も考慮すると、すぐに倒れるほど弱い国ではないと思います。

 ただトルコリラ安が続くと、トルコは輸入が多い国のためCPIが上昇してしまいます。外貨準備高もそこまで潤沢にある国ではないので、為替介入が可能な範囲も限られているでしょう。こうした不安要素はいくつか抱えていますが、新たな悲観材料が現れない限り、トルコリラ円が現在の相場水準を大きく下回るということはイメージしていません。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

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