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資産数億円の人たちの考え方とは? 私が出会った「億万長者」の頭の中

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 これまで多くの資産家たちの家計相談を受けてきた「家計の見直し相談センター」の藤川太氏だが、お金持ちとはいったいどんな人たちなのか。

 資産数億円を保有するお金持ちの人たちの行動様式と「頭の中」について、これまで実際に対面してきた資産家たちの実例とともに、藤川氏に紹介してもらう。

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 実際に数億円の資産を築き上げている億万長者たちが普段何を考え、どんな行動をしているのかに迫ってみたいと思います。それらを知ることは、みなさんがお金持ちを目指すうえで大いに役立つに違いありません。

お金持ちと一口にいっても、さまざまな種類の人がいます。ただ、私がこれまで出会ってきた資産数億円クラスのお金持ちというのは、大きく分けて次の4つのタイプに分類できると思います。以下、実例をもとに紹介していきましょう。

タイプ1:代々の資産を引き継いだお金持ち 地域密着型の仕事で悠々生活、資産を守ることが第一の使命

 まず最初に紹介するタイプが、先祖代々の土地を引き継いできたようなお金持ちです。

 たとえば東京23区内に1000坪以上の土地を保有する元々の地主が結構いて、なかには最寄り駅から自宅まで「昔は全部自分の敷地だった」というお金持ちもいるほどです。

 そうなるとガツガツ働いて稼ぐ必要もなく、代々の土地を維持するのが仕事になります。だからといって遊んで暮らすのではなく、お金を減らさないために働いて生活する。意外に思われるかもしれませんが、職業は公務員などお堅い仕事が多いようです。恵まれた環境に育ったこともあって、性格は穏やかな方が多いのも特徴です。

 たとえばAさんのケース。先祖代々の土地でアパートやマンションを所有するほか、書店、コンビニエンスストア、コインランドリー、ゴルフ練習場などを経営しています。いずれも親族の資産管理会社で法人名義にしており、大きく儲けようというよりは、地域住民にとって便利になるような地元密着型の仕事といえます。

 それだけでも悠々自適な生活は送れそうですが、社会の一員として働きたいという堅実な志向も親から受け継ぎ、Aさんは大学卒業以来、地元の市役所で働いています。

 車はセルシオやレクサスといったトヨタ車のほか、メルセデス・ベンツも保有していますが、いずれも法人名義。見栄を張るというよりも、税金を払うくらいなら高いものを買って経費で落とそうという節税目的です。

 これはAさんのみならず、実は代々のお金持ちというのはあまり派手な振る舞いを好みません。コスト感覚に長け、Aさんも外食は行きつけの寿司屋や天ぷら屋などで済ますことがほとんど。海外旅行にも出かけますが、往復の飛行機もビジネスクラスなどではなく、「エコノミークラスで十分」という考え方の持ち主です。宿泊先も高級ホテル一辺倒ではなく、滞在型のコンドミニアムなど、コスト重視で選ぶ傾向が見られます。

 ですから、リスクを取ってまで資産を大きく殖やすような行動にはまず出ません。資産を守ることが最優先されるため、子どもの教育も「とにかくいい大学に行かせて、いい会社に入ってもらいたい」とまでは考えません。Aさんの子どもも地元の公立中学、高校から国立大学に進学。進学塾に通わせたりすることもなかったそうです。

 最大の悩みは、やはり代々の土地をいかに守っていくか。実際、周辺の土地一帯はかつてAさん一族が所有していましたが、代替わりして相続が発生するたびに保有する土地は小さくなっていきました。資産を極力減らさないために、法人名義にして一族を役員や従業員にしたり、経費で落としたり、子どもへの生前贈与を進めるなど節税や相続対策には日頃から相当気を遣っているようです。

タイプ1のまとめ

●派手な振る舞いは好まず、公務員など手堅い暮らしぶり。
●お金を殖やすよりも守ることが最大の関心事。節税と相続対策に励む。

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