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非常時でも整然と並ぶ日本人が、なぜコロナ禍でマスク争奪戦に走ったか?

春先にはマスクを求めて開店待ちする行列が散見された(時事通信フォト)

春先にはマスクを求めて開店待ちする行列が散見された(時事通信フォト)

 これまで手に入らないことのなかったマスクがコロナ禍で品薄になると、ドラッグストアにはマスクを買い求める人々が長蛇の列をなした。手に入るようになった今もなお、マスクの確保に精を出してしまう人がいるという。

「充分マスクは買ってあるのに、“もし足りなくなったらどうしよう”という恐怖感で、マスクの買いだめがどうしても止められません。神経症でしょうか?」といったシニア世代の主婦からの相談を、日本産業カウンセラー協会 シニア産業カウンセラーで公認心理師の伊藤とく美さんは、最近よく受けるという。

東日本大震災直後の非常時でも綺麗に並ぶ日本人は海外でも話題に(時事通信フォト)

東日本大震災直後の非常時でも綺麗に並ぶ日本人は海外でも話題に(時事通信フォト)

 コロナ禍では品薄になったマスクを求めてシニア世代が列をなした。同じ非常事態でも、阪神・淡路大震災や東日本大震災の際には暴動が起きず、整然と並ぶ日本人の姿が話題になった。非常時も整然とした行列を守り、避難所での配給の列では弱者への思いやりも見せる彼らが、今回はなぜ?

「その背景には、オイルショック時に、並んでも並んでも(トイレットペーパー等を)買えなかった恐怖と不安があり、脳が自動的に買わなきゃと動いてしまったのだと思います。この衝動を止めるには、買いたくなったら外出前に在庫数を確認し、充分なら『これだけあれば大丈夫』、買いたくなったら『ちょっと待って』などと自分に声をかけ、脳に言い聞かせることが、実は有効です」(伊藤さん)

 何度もドラッグストアなどのマスク行列に並んでしまったことに心あたりのある人は、一度お試しを。

※女性セブン2020年9月3日号

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