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遺産協議が円満にまとまった直後に違う内容の遺言書が出てきたら?

遺言書トラブルを防ぐには法務局へ預けるのも手

遺言書トラブルを防ぐには法務局へ預けるのも手

 家族間の遺産争いを未然に防ぐはずの遺言書が原因で、思わぬトラブルを招くことがある。

「俺が死んだら、遺言書に従ってくれ」。大阪府在住の60代男性Aさんは、がんになった父親から何度もそう聞かされていた。しかし実際に父親が死んだ際、どこを探しても遺言書が見つからない。

 父親は若い頃に離婚しており、Aさんには実の弟のほかに腹違いの兄と姉がいた。全員で遺産分割協議を行ない、円満に協議がまとまった。

 ところが、その直後に父の書棚から自筆の遺言書が見つかり、そこには「介護してくれたAにすべての財産を与える」と記されていた。驚いたAさんは、どうするべきか天を仰いだ──。

「本来は遺言書が優先されますが、こうしたケースでは遺産分割協議の結果のままの場合が多い」と指摘するのは、夢相続代表取締役で相続実務士の曽根恵子氏。

「Aさんが家庭裁判所に分割協議の無効を訴えると、遺言書が優先される可能性が高い。しかし、他の相続人からの遺留分侵害請求も想定され、争いのタネになります。先に合意を得た協議内容で進めるのが妥当でしょう」

 せっかく遺言書を書いても、見つからなければ故人が浮かばれない。

 これまで自筆の遺言書は自宅で保管するため紛失するケースが少なくなかったが、今年7月から法務局で自筆の遺言書を保管できるようになった。法務局の窓口で申請書を受け取り、自筆の遺言書と本籍地記載の住民票、本人確認書類と3900円の手数料とともに提出する。

 改ざんや紛失の心配、さらに遺言書を確認する際に相続人が立ち会い家庭裁判所で開封する「検認」が不要になったので、利用するのも手だろう。

※週刊ポスト2020年9月11日号

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