住まい・不動産

家賃も安くてアクセス抜群の「町屋」、なぜ「住みたい街」圏外なのか?

東京メトロ、京成にくわえ、都電荒川線も利用可能(町屋駅前駅)

東京メトロ、京成にくわえ、都電荒川線も利用可能(町屋駅前駅)

 住んでみたい街の理想と現実には、得てして大きな差があるものだ。憧れのあの街は果たして本当に素敵な街なのか? まったくノーマークだけど、実は住みやすい街は? 今回は「町屋」(東京都荒川区)について、ライターの金子則男氏が解説する。

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 その街の便利さを図る指標の1つとして用いられるのが「○○まで△分」というフレーズ。不動産広告ではおなじみのフレーズですが、その点で俄然強さを発揮するのが町屋です。人気路線の千代田線沿いで、都心までのアクセスも最高ですが、どうして「住みたい街ランキング」では圏外なのでしょうか?

 鉄道は東京メトロ千代田線、京成本線、都電荒川線(東京さくらトラム)の3線。大手町まで13分、霞ケ関まで18分、乗り越え込みで東京駅まで20分強と、オフィス街へのアクセスは最高です。それだけでも十分満足ですが、隣駅の西日暮里でJR山手線に乗り換えられますし、もう一方の隣駅・北千住は4社5路線が乗り入れるターミナル駅。鉄道の便は申し分ありません。

 対照的に道路状況は良くありません。近隣のめぼしい幹線道路は、駅から数百メートル離れた明治通りぐらい。道は狭い上に複雑で、高速道路の入口までも遠く、都心方面に向かうには渋滞ポイントも多く、車を積極的に使う理由はあまり見出だせません。明治通り、日光街道(国道4号)、尾久橋通りなどを有効に使うには、裏道を駆使する芸当が必要。抜け道を開拓する努力も求められます。

地震・水害にどう備えるか?

 町屋の最大の魅力は家賃相場の安さです。ワンルーム・1K・1DKで7.13万円(ライフルホームズ調べ。11月3日時点)は、都心のオフィス街からこれだけ近い場所としては破格の安さ。大手町、霞ヶ関、東京駅近辺に通う独身者が真っ先に検討すべき一人暮らしタウンは、千代田線の町屋~綾瀬間か、東西線の南砂町~葛西間あたりが候補に挙がるでしょう。

 住心地も申し分ありません。駅周辺にはスーパーやコンビニ、ドラッグストアは何軒もあり、飲食店も選び放題。中でも焼肉屋の充実度は目をみはるものがあります。下町らしく個人商店も元気なのは嬉しいポイントで、居酒屋は名店が揃っており、価格もお安め。家賃相場からもお分かりのように、極めて庶民的な街で物価も安く、財布に優しい街です。大きな公園もあります。

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