ライフ

災害時の救助活動で愛犬が置き去り 法的には動物虐待にあたるのか?

災害時の動物置き去りは仕方がないのか?(イメージ)

災害時の動物置き去りは仕方がないのか?(イメージ)

「ペットは家族」という考え方はもはや常識だが、災害や事故が発生したときに、ペットをどう扱うかは大きな問題でもある。なかには、救助隊がやむを得ずペットを置き去りにしてしまったというケースもあるだろうが、この場合、救助隊が「動物虐待」として罰せられる可能性はあるのだろうか。弁護士の竹下正己氏が、実際の相談に回答するかたちで解説する。

【相談】
 台風が発生するたび、最上川氾濫のニュース映像が甦ります。あのとき、家の屋根に避難した家族を自衛隊が救助ヘリで救出したのですが、愛犬だけは置き去りにされたまま。翌日、犬は家族と再会できましたけど、犬一匹くらい家族と一緒に救助してもよかったはずです。置き去りは動物虐待になりませんか。

【回答】
 動物愛護管理法では、犬猫などの愛護動物の虐待を禁じ、違反すると1年以下の懲役、または100万円以下の罰金で処罰されます。

 この虐待、どの程度の範囲なのかですが、外傷が生じ得る暴行、餌や水を与えない、酷使、飼育動物が怪我や病気になっても、適切な保護をしない、排泄物の堆積した施設で飼うなどが例示されています。刑罰を科す以上、同程度のひどい扱いであることが、この法律における虐待と考えられます。

 災害救助法では、知事が行なう救助には被災者の救出はありますが、飼い犬もその一部である財産の保全はありません。実際問題としても、初動では被災者の救出や救助活動が最優先となるため、ペット救助に手が回らなくてもやむを得ません。当該ニュースを見ていませんが、救助活動で後回しにすることが、動物愛護管理法のいう虐待になるとは考えられません。

関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。