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親子で話し合う遺言書作成のポイント「2年毎に見直そう」で親も安心

「遺言書」は親子兄弟が納得して作成するのが大原則(イメージ)

「遺言書」は親子兄弟が納得して作成するのが大原則(イメージ)

 コロナ禍で「家族の絆」を再確認した人も多いだろう。だからこそ、いま親子で話し合い、兄弟姉妹で考え、夫婦で決めておきたいことがある。“家族会議”で話し合う重要なテーマは、「財産分与」と「親の面倒を誰が見るか」だ。

 実家は誰が継ぎ、金融資産をどう分配するか。父に先立たれた時、母の世話をどうするのか。それを決める「遺言書」は、親子兄弟が納得して作成するのが大原則だ。だが、複雑なのは親の感情だ。相続問題に詳しいまこと法律事務所の北村真一・弁護士が語る。

「年老いた親は子に大切にしてもらいたい。だから、相続の話も子それぞれにいい顔をする。子にすれば家族会議で財産分与を全部決めて、あとは兄弟姉妹仲良く酒でも酌み交わしたい。しかし、親は遺言で財産分与を決めてしまうと寂しくなるんじゃないかと心配なんです。親の心情のためにも、“遺言はいつでも書き換えることができるから、2年ごとに内容を見直そう”と提案して、親を安心させるといいでしょう」

 遺言の形式には公証人役場で作成してもらう「公正証書遺言」と親が自分で書く「自筆証書遺言」がある。よほどの資産家か、親が中小企業の経営者で資産と負債が複雑な場合などでなければ、「自筆証書遺言」で十分だろう。2020年7月から法務局で保管できるようになった。

 親が「次男に全財産を与える」という遺言書を書いても、他の兄弟には「遺留分」と呼ばれる取り分が残るが、トラブルの種になってしまう。大切なのは内容を親子で納得し、共有しておくことだ。

 遺言書には財産目録が必要になる。自筆証書遺言であっても目録はワープロやパソコンで作成したものも認められるし、通帳などの重要書類もコピーで添付することができる。

 この時、資産だけではなく、借金など負の財産があれば金額をしっかり記入してどう返済するかを遺言で決めておくのが重要だ。相続によって債務を負うようなら相続放棄も検討したい。

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