キャリア

「60歳から独立」国民年金任意加入で年金受給額が年10万円アップも

国民年金の「任意加入」制度にはどんなメリットが?(イラスト/河南好美)

国民年金の「任意加入」制度にはどんなメリットが?(イラスト/河南好美)

 今年4月の「70歳就業法」(改正高年齢者雇用安定法)によって、企業は希望する社員が70歳までの働けるように努力することが求められるようになる。いわば“定年消滅時代”の到来だ。そして、同時に今後は年金のルールも大きく変わる。

 年金制度の変更内容と年代別の年金受給の選択肢を踏まえて、働き方ごとに“得する年金術”をみていく。

「60歳から独立」なら任意加入で年金アップ

 70歳就業法では、企業側の選択肢に「業務委託契約」などが加わり、フリーランス、個人事業主として働く60代が増えるきっかけになり得る。

 厚生年金に加入しない働き方なので、年金を増やす方法は限られるが、忘れてならないのは「国民年金を満額にする」ことだ。

 20歳以上の全国民が加入する国民年金の加入期間は、原則として20歳から60歳までの40年間と定められている。ただし、現在の50代などは、学生時代に国民年金の保険料を支払う義務がなく、2~5年ほどの未払い期間がある人がほとんど。

 そこで活用したいのが、国民年金の「任意加入」制度だ。年金博士こと社会保険労務士の北村庄吾氏が説明する。

「毎月約1万6500円の保険料を支払うことで、加入期間をトータル40年まで増やせる制度です。65歳以上や厚生年金に加入中の人は利用できませんが、60歳から個人事業主になる場合は活用できるケースが多いはずです」

 別掲図の通り、国民年金の加入期間が満期に5年足りない35年間だとすると、年間の年金受給額は約68万4000円となる。

「そこで5年間国民年金に任意加入して保険料を払えば、65歳以降で受け取れる年金額が約78万1700円になり、年間10万円ほどアップします。5年間トータルの保険料は約99万円なので、10年の受給で元が取れ、その後は長生きするほどリターンが大きくなります」(北村氏)

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。