田代尚機のチャイナ・リサーチ

オンライン医療サービスが世界に“破壊的イノベーション”をもたらす可能性

オンライン医療サービスの拡大が世界に破壊的イノベーションを起こす?(四川省。Getty Images)

オンライン医療サービスの拡大が世界に破壊的イノベーションを起こす?(四川省。Getty Images)

 中国平安保険(02318)の傘下で、オンライン医療サービスを展開する平安健康医療科技(01833)の株価が2月11日、春節休場前の半日立ち合いの中、21.1%上昇した。同日、アメリカに本社を置くARKインベスト・マネジメントが同社株を買いに入ったことが判明し、それが株価急騰につながった格好だ。

 ARKインベスト・マネジメントは、香港メディアが“株の女神”と称するキャサリンウッドCEOが率いる「“破壊的イノベーション”を主導する企業に特化した運用を行う」会社である。

 キャサリンウッドCEOといえば、2020年1月31日付の顧客レポートにおいて、「テスラ株は2024年までに7000ドルに達する」と予想し、市場の注目を集めた人物だ。強烈な会社のカラー、彼女の知名度が平安健康医療科技の株価を一瞬にして大きく押し上げたといえよう。

 平安健康医療科技の業績を見てみよう。粗利益(2020年12月期)でみれば、プラットフォーム「平安好医生」を通じて提供されるオンライン医療サービスが全体の47%、提携先を通じて行う健康診断、美容整形、口腔治療、DNA検査などの標準化された健康サービスが31%、通販サイト「健康商城」を通じて、薬、保健栄養商品、医療機器、ベビー用品、健康機器など様々な商品を提供するネット通販事業が14%、その他「平安好医生」上での広告料収入が8%といった事業構成だ。

 2020年12月期業績は36%増収、▲9億4850万元(▲154億円相当、1元=16.2円で計算、以下同様)の赤字(前期は▲7億3386万元(▲119億円相当)の赤字)。粗利益ベースでみれば59%増益なので、着実に事業は成長しているが、それ以上に販管費をかけ、規模拡大を図っている状況だ。

 6期連続の赤字決算であり、オンライン医療サービスは収益を上げられないビジネスとみるのか、今は徹底的に規模を拡大する時期なので“赤字で結構”とみるべきなのか。アナリストたちの評価は分かれる。

 株価は2019年8月から2020年7月までは強い上昇トレンドを形成したものの、その後の約半年間は押し目を形成した。しかし、1月下旬以降切り返しており、2月11日に急騰したことで、一気に過去最高値近辺まで戻している。現段階では、赤字決算には目をつぶり、ビジネスモデルを評価する機運が高まっているようだ。

 実際、主力であるオンライン医療サービスの粗利益は132%増加している。2020年12月末現在、医師、薬剤師などの医療従事者が2247人所属、23科に細分化された医療グループを形成している。蓄積された膨大な症例をベースとしてAIを開発、それを医療関係者たちが最大限に利用し、業務の効率化を図ることで、サービスの量を拡大し、合わせて質も高めている。

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