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【日本株週間見通し】米長期金利の落ち着きで日経平均は強含むか

安定し始めた日経平均だが、3万円回復なるか

安定し始めた日経平均だが、3万円回復なるか

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の3月8日~3月12日の動きを振り返りつつ、3月15日~3月19日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は、しばらく相場の調整要因になっていた米長期金利の上昇に落ち着きが見られたことで週末にかけて安心感が強まる展開となった。

 週前半は米長期金利の動向を左右しかねない経済指標やイベントを見極めたいとの思惑から様子見ムードが強く、指数もこう着感の強い展開が続いた。ただ、経済協力開発機構(OECD)による2021年世界経済成長見通しの引き上げや、懸念されていた米3年債入札が好調な結果となったことによる米長期金利上昇の一服感を受けて米ハイテク株が持ち直すと、これを受けた10日の東京市場でもアドバンテスト<6857>などの半導体関連株が大きく上昇した。

 また、2月の工作機械受注額(速報値)が前年同月比36.7%増の1055億円と、受注の好不況ラインとされる月1000億円を19カ月ぶりに上回ったことを背景に、ファナック<6954>などのFA関連株も動意づいた。その後も、週後半にかけて、米10年債および30年債の入札が無難に終わったことや、市場予想並みに留まった米消費者物価指数(CPI)の結果がインフレ懸念の後退、米長期金利の落ち着きに寄与した。

 こうした安心感が浮上するなか、週末の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を波乱なく通過すると、買い戻しの動きが強まり、週末の日経平均は大引けまで上げ幅を拡げ、506.19円高の29717.83円まで上昇した。

 今週の日経平均は強含みか。週後半の日米中央銀行による金融政策決定会合を終えるまでは指数の大きな動きは見込めなさそうだが、米長期金利の落ち着きを背景に先週後半から見られるハイテク・グロース(成長)株の持ち直しが継続すれば、強含みの展開が想定され、金融政策イベントを終えた後には、あく抜け感による上放れの展開が期待されよう。

 上述した米国債の入札結果などに伴い、しばらく調整が続いていた業績好調の主力グロース株については、先週後半からは持ち直しの動きが見られてきた。代表的なところでは、エムスリー<2413>や日本電産<6594>などだ。そうした中で迎える今週は、金利動向に関わる重要イベントの最終局面でもある。

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