田代尚機のチャイナ・リサーチ

高値更新後もビットコインは“買い”なのか? 急騰を繰り返す背景

3月14日には史上最高値6万1699ドルを付けたビットコイン(イメージ)

3月14日には史上最高値6万1699ドルを付けたビットコイン(イメージ)

 代表的な暗号資産(仮想通貨)であるビットコイン価格(BTC/USD)が急騰している。2020年秋以降、大きな上昇トレンドが発生。2021年1月下旬には一旦3万ドル割れまで下げたものの、その後急騰、2月21日には高値5万8321ドルを付けた。しかし、その後急落、2月28日には安値4万3171ドルまで下げた。そして、再度急騰、3月14日には高値6万1699ドルを付けており、過去最高値を更新した。

 投資商品としてのビットコインは金(ゴールド)と似たような性質を持つ。いずれも、配当や利子を得られるわけではない。また、供給量の増加が限られるといった特徴も同じである。

 あくまで一般論だが、金利が低下したり、インフレが進んだりするような局面では、これらの金融資産は債券からの資金シフトにより、上がりやすくなる。

 過去を振り返ってみると、中国、日本などのアジア勢がビットコイン市場を牽引してきた。しかし、昨年秋以降の大相場はアメリカ人投資家による買いが牽引している。ヘッジファンドに加えて長期運用スタイルの年金ファンドなども投資を開始した。大口個人投資家の買いも目立つようになってきた。

 アメリカでは、新型コロナ禍により景気が落ち込む一方、新型コロナ対策のために巨額の財政支出が行われている。今後も国債発行は急増する見通しだが、その多くをFRB(米連邦準備制度理事会)が購入することになる。そうなればドル安が進行しやすくなる。彼らにとってビットコインはドルの代替資産として意味合いもある。

 ペイパルは昨年10月21日、暗号資産のサービスを開始すると発表した。また、テスラは今年1月、15億ドル相当のビットコインを購入したことを明かしている。

 ビットコインが長期的に通貨として広く利用されるようになるのであれば、その需要は急速に高まるだろう。そうした見方が市場に広がったことが、秋の急騰、或いは2月の急騰に繋がった。長期金利の上昇により、3月に入り株価が一時的に急落した場面では、ビットコインも急落したが、1兆9000億ドル規模の大型追加経済対策が正式に発動されることになると、投資家は再びリスクテイク姿勢を強めた。それが株式市場、ビットコイン市場の上昇に繋がっている。

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