田代尚機のチャイナ・リサーチ

日本の貿易の「中国依存度の高さ」が中国でも話題に 5月としては過去最高

自動車をはじめ、日本の貿易における中国依存度は高い(EPA=時事)

自動車をはじめ、日本の貿易における中国依存度は高い(EPA=時事)

 財務省は6月16日、5月の貿易統計(速報)を発表した。輸出は49.6%増と大きく増加、外需は順調に回復している。輸入も27.9%増と好調、そのため貿易収支は4か月ぶりの赤字となった。

 輸出に関して国別の伸び率をみると、アメリカは87.9%増と急回復した。また、EUは69.6%増とこちらの伸びも著しい。一方、中国は23.6%増と伸びてはいるが、アメリカやEUほどではなく、全体の伸び率と比べても低い。このデータだけをみれば、5月の輸出はアメリカ、EUなどの貢献が大きいように思うかもしれない。

 輸出全体に占めるシェアをみると、トップは中国で22.2%を占める。アメリカは第2位で17.6%、EUは9.9%に留まっている。伸び率に関しても詳しく調べてみると、全体の輸出は5月としては過去4番目の額であるが、中国への輸出は5月としては過去最大である。一方、アメリカは同じく過去16番目であり、EUは17番目である。

 つまり、5月のアメリカやEU向けの輸出は急増しているが、これは新型コロナ感染拡大の影響で前年同期の水準が極端に低かったことが要因である。一方、中国では前年同月の段階でコロナ禍を脱しつつあったということだ。

 輸入について、シェアと過去何番目かだけ示しておくと、全体の輸入額は5月として過去6番目。中国のシェアは24.6%でもちろん国別トップだが、5月として過去最高額を更新した。一方、アメリカは日本の輸入全体の11.5%に過ぎず過去5番目、EUは12.5%で過去3番目である。

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