カリスマトレーダー池辺雪子 億の極意

政権の為替相場へのスタンス 自民党と民主党で何が違った?

自民党政権と民主党政権の為替相場を振り返る(イメージ)

自民党政権と民主党政権の為替相場を振り返る(イメージ)

 ドル円は夏枯れで持ち合い相場が続いているが、秋には衆議院選挙が予定されており、その結果次第では、為替相場にも影響を与える可能性がある。それを読み解く鍵として、過去の自民党政権と民主党政権の為替相場に対するスタンスの違いを、FX(外国為替証拠金取引)などのカリスマ主婦トレーダーとして知られる池辺雪子さんが解説する。

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 マーケットは米国の企業決算が堅調であったため、リスクオフのムードから反転する動きを見せ、ドル円も一時反発。夏場はここから大きく上昇することはないと思われますが、年末にかけて上向く可能性はあると考えています。

 さて、秋の衆議院選挙も近づいてきました。その結果次第では、為替相場のトレンドも大きく変わります。実際、過去の民主党政権時代と近年の自民党政権とでは為替相場へのスタンスが異なっており、実際の値動きもそれを反映したものとなっています。2つの政権でどのような違いがあったのか、あらためて振り返ってみましょう。

 リーマン・ショックの後、2009年に民主党政権が誕生すると、為替相場はそれまでの自民党政権時代とは大きく変わりました。民主党政権は「為替レートは市場が決めるもの」というスタンスだったことも影響し、株安円高の流れに目立った対策を取ることもなく、ドル円は1ドル=80円を割れるまで下落しました。

 2012年に安倍政権が誕生すると、大規模な金融緩和を行ったことから為替相場も株式市場も回復。ドル円は1ドル=125円まで円安になることもありましたが、その背景として自民党がドル円レートを気にする理由がありました。それは自民党の支持基盤のひとつが輸出業なども含む大企業にあるということ。そうした党の支持基盤への影響を踏まえると、自民党は円高を避けて、円安を演出したいと考えるはずです。

 2016年にドル円が1ドル=100円近辺まで下落した時は、日本銀行・財務省・金融庁が揃って会合を行いました。これは市場参加者に向け「これ以上、円高が進行するようなら、その対策も辞さない」という姿勢をアナウンスする目的のものだったと思われます。マーケットもこうした会合を意識するもので、このときはドル売り円買いのポジションを解消する動きが見られました。

 自民党政権は今でも1ドル=100円を割るようなトレンドが現れれば、3者会合などを行い、円高阻止の姿勢を見せるのではないでしょうか。また日銀も株価下支えのために購入したETF(上場投資信託)を保有したままで、売却したとの発表はされていません。GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)もかなりの日本株を保有しています。そうしたことを踏まえると、今の政権スタンスが変わらない間は、日本株市場が大きく崩れるような事態はイメージしづらいのではないでしょうか。

 このような政権ごとの相場へのスタンスを知っておくと、国政選挙の結果で、為替がどう動くかも理解しやすくなり、長期的なトレードにも活かしやすいと思います。

【PROFILE】池辺雪子(いけべ・ゆきこ):東京都在住の主婦。若い頃から株や商品先物投資を学び、2000年からFX投資を始め、これまでに8億円以上の利益をあげている敏腕トレーダー。2007年春、脱税の容疑で起訴、同年夏、執行猶予刑が確定。その結果、所得税、延滞税、重加算税、住民税、罰金(約5億円)を全て即金で支払う。2010年9月に執行猶予が満了。現在は自らの経験をもとに投資、納税に関するセミナー、執筆活動を行っている。トルコリラ/円、ドル/円、他通貨、日経平均株価などの値動きに関する詳細な分析を展開する「池辺雪子公式メルマガ」も発信中(http://yukikov.jp/

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