投資

【日本株週間見通し】日米の決算発表が本格化 日経平均はどう動く?

 米国も同様。既に決算発表済みのうち、S&P500種株価指数を構成する企業の8割程が事前予想を上回り、株価も上昇する銘柄が目立った。米国でも供給網混乱やインフレに対する懸念から今回の決算に対する警戒感が強かったため、予想を上回る内容に対しては素直に好感するケースが多いようだ。

 その米国では、今週はフェイスブック、グーグルを傘下に有するアルファベット、マイクロソフト、アップルなどいわゆるGAFAM銘柄の決算が相次ぐ。これら大型テック企業の全米上場企業の時価総額に占める比率は非常に高く、相場を大きく左右するため、非常に注目される。参考材料としては、同様の人気を誇るハイテク企業でネットフリックスとテスラが既に決算を発表しているが、どちらも好決算で株価は大幅に上昇、揃って上場来高値を更新している。

 日本の主力製造業および米大型ハイテク企業の決算後の反応が、年末に向けた相場の方向性を決める可能性が高く、決算後の株価反応をしっかりと見極めたい。

 他方、国内の特殊事情として、月末31日に衆院選の投開票が行われる。自民党が単独過半数を確保できるか不透明との指摘も一部で聞かれており、来夏の参院選も見据えるなか、今回の選挙に対して不安視する向きも多い様子。政権基盤の不安定化は、海外投資家の最も嫌うところでもあり、衆院選投開票結果を見極めるまでは様子見を取る投資家も多いと予想される。そのため、日本株については、決算後の株価反応が限定的となる可能性にも留意しておきたい。

 さらに、外部環境の不透明要因として引き続きインフレ懸念と米長期金利の動向には注意が必要だ。先週、米10年債利回りと期待インフレ率の指標とされる米ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は一段と大きく上昇した。米10年債利回りは日本時間週末22日に約7カ月ぶりとなる1.69%まで上昇、米BEIに至っては、2.64%と急伸し、5月に付けた高値2.51%をはるかに上回る水準にまで上昇した。原油や天然ガス、石炭などの商品市況の先物価格は先週に上昇一服の動きを見せていたが、米BEIなどの動きをみる限り、インフレ懸念が後退した兆しは確認できない。

 期待インフレ率や米長期金利が上昇する中でも、ハイテク株比率の高いナスダック総合指数などは堅調に推移しているため、市場はインフレや金利への耐性をつけているとも思われる。しかし、速い上昇ペースがこのまま継続すると、相場が動揺するのも時間の問題と思われ、決算とは別に外部環境の指標動向にも目配りが欠かせない。

 なお、今週は経済指標で26日に米8月S&Pコアロジック・ケース・シラー住宅価格指数、米10月消費者信頼感指数、米9月新築住宅販売、27日に日銀金融政策決定会合(~10月28日)、米9月耐久財受注、28日に黒田日銀総裁会見、米7-9月期国内総生産(GDP)速報値、欧州中央銀行(ECB)定例理事会、29日に9月失業率・有効求人倍率、9月鉱工業生産、9月住宅着工統計、米9月個人支出・個人所得、ユーロ圏7-9月期GDPなどが予定されている。

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。