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相続ルール変更で何が変わる? 住宅資金の生前贈与は必ず2021年内に

亡くなる15年前の贈与分まで課税対象になる見込み

亡くなる15年前の贈与分まで課税対象になる見込み

 一方、住宅取得のための贈与は現在、1500万円まで非課税とされている。だが、もともと廃止される予定だったため、こちらは今年の12月31日をもって、確実に使えなくなる。

「この年末までに贈与を受け、2022年3月31日までに入居しておかなければ非課税になりません」(曽根さん)

 住宅資金を贈与するなら、まさにいま駆け込んでおく必要があるということだ。

死後3年以内に確実に不動産登記を

 相続税対策には、いくつか奥の手もある。生命保険や損害保険において「死亡保険金500万円×法定相続人の数」は非課税のため、相続人が2人なら、1000万円までは税金がかからない。

「相続時精算課税制度を利用する手もあります。これは、60才以上の父母または祖父母から20才以上の子や孫に対して一括贈与する際、2500万円までは非課税になりますが、贈与した父母や祖父母が亡くなると、相続財産とみなされて、後から課税される制度です。ただ、不動産など将来値上がりが予想される財産なら、後々課税されるとしても、いまのうちに生前贈与しておくことで、普通に相続した場合よりも相続税の金額を抑えられる可能性があります」(明石さん)

 ただし、不動産を相続した場合は、登記を絶対に忘れてはいけない。2024年からは、死後3年以内に不動産登記をしなかった場合、10万円の過料が科せられるようになるからだ。「まだ2年もある」と高をくくっていてはいけない。

「不動産の登記には、亡くなった人が生まれてから亡くなるまでの戸籍を揃える必要があり、それだけでも一苦労。相続人関係図をつくって、さらに相続人全員で分割協議をまとめなければならず、想像以上に時間と手間がかかります」(曽根さん・以下同)

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