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北京五輪はどうなる?冬季五輪、日本代表の活躍が日経平均を押し上げた歴史

北京五輪での日本代表の活躍が日経平均にも影響するか(羽生結弦らフィギュアスケートの日本代表選手たち。時事通信フォト)

北京五輪での日本代表の活躍が日経平均にも影響するか(羽生結弦らフィギュアスケートの日本代表選手たち。時事通信フォト)

 2月4日から2月20日までの17日間、北京で冬季五輪が開催される。これまでもオリンピックのような注目度の高いスポーツイベントは、景気や株価に影響を与えるケースが多いという。

 身近な事象と景気との関係に詳しい三井住友DSアセットマネジメントの宅森昭吉チーフエコノミストは、「経済活動の主体は一般の人々であり、景気を動かしているのは彼らのマインドにほかなりません。注目度が高いオリンピックで人気選手が活躍したり、日本勢のメダルラッシュが続くなどすると、国民のマインドが明るくなり、景気や株価にも少なからぬ影響を与えることがあります」と話す。

 冬季五輪が開催される2月は、例年株価の動きが少ない月だ。宅森氏によると、1980年から2021年までの42年間のうち、上昇したのは2回、下落したのは20回で、平均の変化率はわずか0.2%にとどまる。データの散らばりを示す42年間の前月比の標準偏差は5.6%であるが、2月に限っては標準偏差は4.9%と、その値動きの乏しさは明らかだ。

 しかし、国民的関心の高い五輪が開催される2月は、様相が異なる。たとえば、ジャンプ団体の“涙の金メダル”など10個と日本代表が歴代2位のメダル獲得数を記録した長野冬季五輪のあった1998年2月の株価は、1997年から続く金融危機の時期でも、前月比1.2%上昇した。

 前回大会である2018年の平昌五輪の日本代表は、冬季大会では史上最多となる13個のメダルを獲得した。大会期間中で、特に日経平均株価が大きく動いたのは2月19日(月)で、前営業日比で428円のプラスとなっている。「この日を迎える直前の週末には、フィギュアスケート男子の羽生結弦選手と宇野昌磨選手が金と銀のワンツーフィニッシュを果たしたほか、スピードスケート女子500メートルで小平奈緒選手が金メダルを獲得したことが影響しているのではないか」と宅森氏は指摘する。

 さらに、翌週末となる2月24日(土)には、新種目として初採用されたスピードスケート女子マススタートで高木菜那選手が初代女王に輝いたほか、カーリング女子も銅メダルを獲得した。この活躍も市場参加者のマインドを刺激したのか、その翌営業日となる2月26日(月)の日経平均株価は260円の上昇を記録している。いずれも週末で観戦する人や注目する人が多いタイミングで注目選手が活躍したことで、投資家心理を押し上げた可能性は決して低くはない。

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