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東証3市場に再編 「玉石混淆の市場から脱却」で海外投資家呼び込む狙い

東証再編の狙いは?(東京証券取引所・山道裕己社長/時事通信フォト)

東証再編の狙いは?(東京証券取引所・山道裕己社長/時事通信フォト)

 日本の株式市場が4月4日から大きく変わる。東京証券取引所(東証)は現在の1部、2部、ジャスダック、マザーズの4市場を「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編する。

 この1月11日に各市場に移行する企業の選別が終わり、最上位のプライム市場には、コロナ下でも業績絶好調のトヨタ自動車、ソニーグループをはじめ、キーエンス、NTTや東京エレクトロン、リクルートHD、ソフトバンクグループ、伊藤忠商事、三菱商事など大手商社、三菱UFJフィナンシャル・グループなどのメガバンク、日本電産、武田薬品工業といった日本を代表する企業が名を連ねる。再編の目的を東証はこう説明する。

「東証は4つの市場に分かれているが、各市場のコンセプトが曖昧でわかりにくいという課題がありました。また、企業にとって上場はゴールではなく、これからがスタートなのに、上場後の持続的な企業価値向上に向けた動機付けに乏しいというのも課題でした。そうしたことから、3つの市場に再編して各市場のコンセプトを明確化し、それぞれの企業に合った市場で活躍してほしいと考えたわけです」(上場部)

 かつて東証1部上場といえば大企業の代名詞だった。だが、企業数が増え、いまでは1部上場企業の中にも業績が芳しくなく、成長性も乏しい企業が少なくない半面、東証2部やジャスダックなどの新興市場には急成長して時価総額が1部上場企業を大きく上回る企業があるなど大型株と小型株が渾然となって“玉石混淆の市場”と指摘されていた。

 海外の投資家にすれば、“この市場には業績の良い安定した企業が集まっています”といった市場のわかりやすさがあれば魅力につながり、投資もしやすい。だが、玉石混淆の日本市場は「わかりにくい」と投資を敬遠され、それが日本の株価が世界に比べて不当に出遅れている一つの原因と見られている。

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