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フジミインコーポレーテッド:半導体市場の波に乗れそうなニッチトップ銘柄

フジミインコーポレーテッド(5384):市場平均予想(単位:百万円)

フジミインコーポレーテッド(5384):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 フジミインコーポレーテッド(5384)は、精密研磨材の世界トップメーカー。半導体製造工程で使用されるシリコンウェハー向けラッピング材・ポリシング材、および半導体デバイス向けCMP製品等を開発・製造・販売しています。

 研磨剤は、スマートフォンやPC、医療機器といった様々な精密機器で使われる半導体をはじめ、ハードディスク、デジカメのレンズ、メガネなど、様々な製品製造に使われています。同社によると、常日頃から使っている色々なものに同社製品が使われているとのこと。

 研磨剤は、様々な製品の製造に使われますが、特に強みを持つのが半導体製造分野。

 半導体製造分野では、シリコン単結晶の加工で使うワイヤソー用研磨剤、両面研磨用のラッピング材、鏡面研磨用ポリシング剤、半導体デバイス平坦化工程に使うCMP(Chemical Mechanical Polishing)研磨剤などの製品があります。

注目ポイント

 新型コロナウイルスの感染再拡大に加え、資源・エネルギー価格の高騰と、世界経済には不透明感が漂っていますが、そうした中でも半導体市場は在宅勤務の普及や通信技術の進化などに伴う最先端半導体デバイスの需要増により、さらなる成長に向かっています。また今期はコロナ禍で稼働率が低下していた自動車業界の需要も回復したことで、工業向けも好調に推移する見通しです。

 収益性も高まっており、2021年3月期には、営業利益率は18%に達しました。2022年を最終年度とする中期計画で掲げた15%の目標を前倒しで達成。今期は過去最高売上最高益を更新する計画となっています。

 中期的に見ても良好です。まず、同社の需要先である半導体業界においては引き続き成長が見込まれます。2021年11月に発表された世界半導体市場統計(World Semiconductor Trade Statistics:WSTS)によると、21年の半導体世界市場は前年比25.6%増の5530億ドルに達し、2022年も8.8%増の6015億ドルとなると予想されています。そして半導体製造に欠かせない部材である研磨剤は、その成長の恩恵を享受することとなります。

 SDKI Inc.によると、研磨剤市場は、2022年に482億ドルとなり(2020年344億ドル)、2031年まで6.1%のCAGRで775億ドルに達すると予想しています。

 そこで世界トップポジションを確立している同社は、市場拡大の恩恵を大きく享受できる立場にあるといえます。

 半導体デバイスメーカーが設備投資計画を引き上げるなど需要の盛り上がりが見込まれる中、同社では、需要を獲得すべく先行投資を活発化しています。例えば、同社には岐阜と愛知県で4か所の生産拠点がありますが、このうち、岐阜県各務原市の工場と各務東町工場で、今後3年かけて供給能力を3割ほど上げるとしています。また、各務原研究開発センター近くに新工場建設を計画しており、このため2021年12月に13億円の工場用地を取得しました。さらに国内だけでなく、台湾・米国で増強を図る方針としています。

 設備投資計画は、2022年3月期通期計画の上方修正と共に引き上げられており、前回予想の18億円から23億円に28%も増額修正されています。いかに半導体市場が活況であるかが伺える投資計画かと思います。

 設備投資につきまとう財務状況の変化については、同社の場合、本業からキャッシュをしっかり生み出すことが出来ているので懸念はありません。実際、昨年13億円で土地を買っていますが、キャッシュで賄っています。財務内容は、自己資本比率は84.2%、借入金ゼロという盤石の内容です。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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