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黒田日銀vsメガバンクの対立激化で「預金者が切り捨てられる」未来へ

2022年3月11日 7:00 週刊ポスト

日銀の金融政策が銀行の経営を圧迫している現状も(黒田東彦・日銀総裁。写真/共同通信社)
日銀の金融政策が銀行の経営を圧迫している現状も(黒田東彦・日銀総裁。写真/共同通信社)

 いよいよ預金マイナス金利時代の到来か。ドイツでは最大手のドイツ銀行とコメルツ銀行が2020年に新規顧客が一定以上の預金を預ける場合は年0.5%のマイナス金利を取り始めた。他行にも急速に拡大し、同国では今年1月初めの時点で同国内の半数近い555行がマイナス金利を導入している。

 これを対岸の火事と思っていてはいけない。日本でも「預金マイナス金利時代」の幕開けになり得る事案が起きている。

 この1月、日銀が三菱UFJ銀行にマイナス金利を適用したのだ。日経新聞電子版が、〈逃げ道ふさがるマイナス金利、三菱UFJ銀行に6年ぶり適用〉(1月17日付)の見出しでスクープ。

 2月に公表された日銀資料では都市銀行が日銀に持つ当座預金残高のうち2730億円にマイナス0.1%の金利が適用され、それが三菱UFJ分とみられている。約2.7億円の金利が日銀に支払われた計算になる。

 これがどういう意味を持つのか。銀行や信用金庫などの金融機関は、預金残高の一定割合を日銀に当座預金として預けなければならない(準備預金制度)。それとは別に、預金などで集めた資金を融資や国債購入などで運用し、余った資金もやはり日銀に預けている。

 日銀は金融機関の当座預金の残高に応じて金利を「プラス金利」「ゼロ金利」「マイナス金利」の三層に分け、残高が一定額を超えた分にマイナス金利が適用される。金融問題に詳しい経済ジャーナリスト・森岡英樹氏が指摘する。

「マイナス金利の導入には、銀行に企業などへの融資を促して経済活動を活発にし、デフレを脱却する狙いがある。銀行が日銀の口座に多くの資金を置いていると、“資金に余裕があるのに融資していない”とみなされ、ペナルティとしてマイナス金利を科せられる仕組みです」

 日銀のマイナス金利とは、いわば銀行への“罰金”のような性格がある。日銀は2016年にこの制度を導入し、地方銀行や第二地銀、外国銀行などは毎月のようにマイナス金利が適用されている。だが、メガバンクはこの6年間、資金の運用を増やすことで日銀の当座預金の残高を抑え、“罰金”を回避してきた。

 それが今年になってメガバンク首位の三菱UFJにマイナス金利が適用された。メガさえもいよいよ融資先や運用先がなくなってきたのか。三菱UFJ銀行広報部はこう回答した。

「これまでは市場運用等を通じて経済合理性の範囲内で当座預金残高を一定範囲内に収めることができておりました。しかしながら今般、預金が一定の残高を超え、短期金融市場における経済合理的と考える水準での運用手段も限られるため、相対的に利用価値の高まった日銀当座預金に存置することと致しました」

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