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【日本株週間見通し】日経平均は神経質な展開か 米CPI発表なども注意

先週の日経平均は大幅続落

先週の日経平均は大幅続落

 投資情報会社・フィスコが、株式市場の4月4日~4月8日の動きを振り返りつつ、4月11日~4月15日の相場見通しを解説する。

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 先週の日経平均は週間で680.18円安(-2.46%)と大幅続落。週足のローソク足は2週連続で陰線を形成。終値は前週の26週移動平均線割れに続いて13週線も割り込んだ。

 4、5日の日経平均はもみ合いの末に70.49円高、51.51円高とそれぞれ小幅な上昇にとどまった。米3月雇用統計において賃金の伸びが予想を上回ったことで、5月連邦公開市場委員会(FOMC)での大幅利上げ観測が強まったほか、長短金利の逆転で景気後退懸念が台頭。ウクライナ情勢を巡る対ロ制裁強化への懸念などもあり、上値の重い展開が続いた。一方、FOMC議事録(3月開催分)の公表を前に持ち高を一方向に傾ける向きは少なく、また、新年度相場入りに伴うニューマネー流入への期待もあり、下値も限られた。

 6、7日は一転して437.68円安、461.73円安と大きく下落。連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事が5月FOMCでの量的引き締め(QT)開始の可能性を示唆。金利が急伸し、ハイテク株を中心に大きく売られた米株市場の流れを引き継いで売りが膨らんだ。FOMC議事要旨では保有資産の削減ペースや年内数回の0.5pt利上げ実施が示唆されたが、おおむね想定内と受け止められた。ただ、米10年債利回りが3年ぶりの高値を付けるなか、金利動向に対する警戒感が重しとなったほか、コロナ禍でロックダウン(都市封鎖)を強いられる中国経済の悪化懸念なども上値抑制要因となった。

 8日は方向感に欠ける動きの末、97.23円高と小幅反発。前の日の米株市場で下げ止まりが確認されたことから、朝方は買いが先行。ただ、世界経済の先行きへの懸念は根強く、買いが続かずにマイナス圏に転じる場面もあった。一方、中国株・香港株の下げ渋りや、時間外取引のナスダック100先物のプラス転換を支えに切り返すと再度上昇に転じた。なお、4月限オプション取引に係る特別清算指数算出値(SQ)の確定値は27122.37円だった。

 今週の日経平均は軟調か。今月下旬から3月期決算企業の本決算発表が始まるのを前に、米金利動向やウクライナ情勢など外部環境の不透明感がくすぶっており、全体的に手掛けにくさが残る。一足先に本格化する2月期決算企業の決算内容を受けた個別株物色が中心となりそうだ。

 FOMC議事録では、QTのペースとして月額上限950億ドルを目指していく方針などが確認された。2017-19年の前回のQT時のペースは月額500億ドルだったため、2倍近いペースとなる。また、複数の理事はQTのペースに上限を設けない方針を支持していたほか、QTが軌道に乗ってからは、住宅ローン担保証券(MBS)の売却を検討することで合意していたことも判明。さらに、新型コロナウイルス発生以降、初めての利上げに踏み切った3月の利上げ幅は0.25ptだったが、ウクライナ戦争が起きていなければ“多くの”理事が0.5ptの利上げを支持していたという。印象としては総じてタカ派色が濃く、事前にブレイナード氏の発言があったにも関わらず、議事録公表以降も株式市場はあく抜け感が高まらなかった。

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