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【日本株週間見通し】日経平均は神経質な展開か 米CPI発表なども注意

 米10年債利回りは2.6%台後半と3年ぶりの高値を付けてきており、名目金利から期待インフレ率の指標とされる米10年ブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)を差し引いた実質金利は-0.2%を割り込んできている。インフレ退治に躍起になっているFRBの姿勢を踏まえれば、実質金利を今後プラスに持っていくことは時間の問題とみられ、金利の一段の上昇に対する警戒感がくすぶる。3月半ば以降、株式市場は実質金利のマイナス幅縮小を無視して大きくリバウンドしてきただけに、改めてFRBの金融政策スタンスを織り込む必要があろう。

 そうしたなか、今週は米国で3月の消費者物価指数(CPI)、生産者物価指数(PPI)の発表がある。ウクライナ情勢を巡る対ロ制裁の影響で、エネルギー価格を中心にかなり高い伸びが予想されている。相当に織り込み済みとも考えられるが、足元、再び米金融政策に焦点が移りつつあるなか、予想比での上振れ次第では、市場が神経質に反応する可能性があり、注意が必要だ。また、米国では3月の小売売上高も発表されるが、インフレ高進下での消費動向が注目される。弱い結果となれば、スタグフレーション(物価高と景気後退の併存)リスクが一段と意識され、相場の重しとなろう。

 ウクライナ情勢も予断を許さない状況が続いている。戦力を喪失しつつあるロシア軍は首都キーウから撤退した一方、ウクライナ東部での新たな攻撃に備えている様子。旧ソ連の対ドイツ戦勝記念パレードが行われる5月9日までに何らかの勝利の確保を目指しているとも推察されており、更なる情勢悪化のリスクがある。

 ロシア軍による民間人の虐殺が多数報告されており、欧米諸国の対ロ制裁も更に強化されている。欧州連合(EU)はこれまでエネルギー分野での制裁に二の足を踏んでいたが、ロシア軍の暴挙を背景に、遂にロシア産石炭の禁輸に踏み切った。天然ガスや原油などは影響力が大きいだけに制裁に踏み切っていないが、EUの行政執行機関、欧州委員会のベステアー上級副委員長は、対ロ制裁について、「タブーはなく、あらゆることが検討されている」と述べた。ロシア軍の残忍な行動が続けば、経済合理性よりも世論の声などを重視する可能性があり、一段の制裁リスクも頭の片隅には入れておく必要があろう。

 そのほか、ここにきて再び新型コロナもリスク要因として浮上しつつある。英国で確認された新変異株「オミクロンXE」は強い感染力を持つとされており、ロックダウンを強いられている中国でも新たな亜型が見つかったもようだ。日本国内でも一部専門家は「第7波が既に開始している」とも指摘している。中国では一部地域でロックダウンが延長されており、工場稼働の停止などを背景に、企業業績の悪化懸念も高まっている。本決算シーズンを前に、当面相場の上値は重いと想定しておいた方がよいだろう。

 今週は11日に3月工作機械受注、中国3月CPI、中国3月PPI、12日に3月企業物価指数、独4月ZEW景況感指数、米3月CPI、米10年国債入札、13日に2月機械受注、中国3月貿易収支、米3月PPI、14日にECB定例理事会、米3月小売売上高、15日に米4月ニューヨーク連銀製造業景気指数、米3月鉱工業生産などが発表される。

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