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イノテック:ファンダメンタル良好な割安・高配当利回り銘柄として注目

イノテック(9880):市場平均予想(単位:百万円)

イノテック(9880):市場平均予想(単位:百万円)

企業概要

 イノテック(9880)は、半導体設計支援ソフトウェアの輸入販売、および半導体テスターの開発・販売を行っている会社です。

 取り扱うのは、テストシステムをはじめ、産業用ボードや組み込みシステム、耐環境ボード、EDAソフトウェア、OrCADソフトウェア、サーバー・ストレージ、ノイズ解析、モデルベース開発、デジタルメディア解析、ロボットオートメーションサービス、プローブカードなどなど、多岐にわたります。

 主力は半導体の品質検査に欠かせない「テスター」。5Gの本格化は、すべてのモノが繋がるIoTの進展を加速させます。IoT時代はデータ量を劇的に増加させ、それに伴い記録・保存するフラッシュメモリの需要も急拡大しています。製造するためには検査工程が必要不可欠で、テスターも需要拡大の追い風を受けています。

 需要先は、半導体、自動車、家電、スマホ、医療機器、産業機器と幅広く、リスクバランスの取れた事業構造となっています。

注目ポイント

 足元業績は好調。材料難の中、調達への工夫が功を奏して収益性も保つことが出来ており、通期計画は上方修正が実施されています。足元では材料価格上昇が利益を押さえつける可能性ありますが、代替部品使用など設計自体を変更して対応するなど、持前の総合力が活かされたと見られます。こうした底力ともいえる能力を備えていることは評価に値します。

 また、エレクトロニクス成長期からインターネット黎明期、デジタル期と長年に渡って顧客と関係を構築しているのも強みです。現在では商社機能のみならず、メーカー機能も併せ持つことで、顧客ニーズを細かく捉え、それを開発にフィードバックできる構造が出来上がっており、今後見込まれる需要を捉えていくことができる企業だと思います。

 総合力をM&Aを中心に高めてきたということもあり、有利子負債は2019年3月期(約39億円)から2021/3期には85億円に増加。DEレシオは0.18倍から0.42倍に上昇しています。

 ただ、財務面については決算発表時に、有利子負債による資金調達を行う場合でも、DEレシオ(有利子負債自己資本比率)が0.5倍を上回らないようにすることが資本政策として明示されています。足元のDEレシオは0.42倍。また手元の現金を考慮したネットDEでは0.16倍と安全性が確認できます。自己資本比率52.7%、流動比率1.67倍と、実際に財務内容は全体的に健全です。

【プロフィール】戸松信博(とまつ・のぶひろ):1973年生まれ。グローバルリンクアドバイザーズ代表。鋭い市場分析と自ら現地訪問を頻繁に繰り返す銘柄分析スタイルが口コミで広がり、メルマガ購読者数は3万人以上に達する。最新の注目銘柄、相場見通しはメルマガ「日本株通信」にて配信中。

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