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ネット上に「もう一人の自分」がいる… 検索・閲覧履歴等のビッグデータから読み取れるプロファイル

ネット上の行動履歴からその人の趣味嗜好から悩みまで、AIには丸わかりとなっている(イメージ。Getty Images)

ネット上の行動履歴からその人の趣味嗜好から悩みまで、AIには丸わかりとなっている(イメージ。Getty Images)

 どんなショッピングサイトを開いても目に飛び込んでくる「あなたへのおすすめ」の表示。Twitterで化粧品のレビューに「いいね!」をすれば通販サイトの広告が表示され、YouTubeで好きなアーティストのMVを見れば、関連動画に同じアーティストの動画が出てくる。

「あら、やっぱりいまはこれが流行ってるのね」「やっぱり、このアーティストって人気なのね」と思ったら大間違いだ。なぜなら、これらはどれも、あなたの検索・閲覧データをもとに、AIがあなただけに向けて選び出したものだからだ。私たちが自分で選んでいると思っているニュースも、本も、洋服も、音楽も、何もかもが、AIに選ばれ、一方的に押しつけられているだけかもしれない。桜美林大学リベラルアーツ学群教授の平和博さんが言う。

「例えば、『日傘』と検索したとします。すると、どのサイトをどのくらい長い時間見ていたかも、その後『日傘 折り畳み』『日傘 2000円以内』と検索し直したことも、それが何月何日の何時のことかも、データとして記録される。

 そうしたデータをAIが収集・分析することで“このユーザーは夕方5時以降に検索することが多く、安価な折り畳み式の日傘を探している”という結果を出し、広告表示につなげています。同様にSNSでも、いつ、誰のどのような投稿に“いいね!”を押したか、その後どのような投稿を閲覧して何を投稿したかまで、個人のネット上の行動はすべて記録され、AIによって分析されています」

 こうした大量の履歴が「ビッグデータ」と呼ばれる。このデータを、AIは勝手に分析して各ユーザーをプロファイリングし、それをもとにニュースや商品、広告などの情報を提供する。それが、AmazonやGoogleの仕組みなのだ。平さんはこれを「監視カメラでずっと見られているようなもの」とたとえる。

家族にも言えない秘密をデータは知っている

 ITジャーナリストの三上洋さんは、こんな提案をする。

「試しに、Googleの広告設定を開いてみてください。これを見ると、私の場合は“55~64才の男性、言語は日本語、テレビゲームに興味があり、住宅を持っている”などと推測されていることがわかります。こうした情報は、私がGoogleに提供したものではなく、私の検索履歴などから推測して、AIが割り出したものです」

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