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「見積もりにはなかったけど…」 葬儀で「心付け」を渡す必要はあるのか?現役葬儀社社員が回答

葬儀社から“心付け”を求められたらどうすべきか(写真:イメージマート)

葬儀社から“心付け”を求められたらどうすべきか(写真:イメージマート)

 身内が亡くなった際、葬儀に必要な費用は、火葬場使用料や式場使用料など多岐にわたる。葬儀社が遺族の要望に応じ、見積もりにて合計金額を提示するが、実費以外の“別費用”がかかることもあるという。それが「心付け」だ。葬儀社や火葬場のスタッフに遺族がチップとして支払う葬儀業界の古くからの慣習だが、本当に払わなくてはいけないものなのか。実際に「心付け」を求められた経験があるという遺族と、葬儀業界現役社員の話から、その実態と背景に迫った。

「3000円と5000円の袋を2つ作って下さい」

 60代の主婦・Aさんは一昨年、90代で亡くなった母親の葬儀を手配した。葬儀社に直接依頼するのではなく、葬儀紹介会社を利用したという。

「母が介護施設にいた頃から、そろそろ危ないとわかっていたので、少しずつ準備を始めていました。葬儀については、ネット検索で上位にあった葬儀紹介会社に頼みました。自力でどの葬儀社がいいか調べて比較・決定するのは面倒だと思ったからです」(Aさん)

 いざ葬儀紹介会社から紹介された葬儀社は、とても親切に対応してくれた。

「お通夜のあり・なし、遺体を預かってくれるかどうかなど、条件や設備についてコースが設定されていてわかりやすかったし、お坊さんを呼ぶ・呼ばない、供花の選択など、遺族の都合やリクエストにも細かく応えてくれました。役所の手続きや必要書類なども詳しく教えてもらいました。すごく丁寧で好感が持てました」(Aさん)

 諸条件が反映された見積もりを葬儀社から提示され、費用の総額を把握したAさん。葬儀社による“営業”トークもなく、信頼できると安心した。そのタイミングで、Aさんは「別費用」の説明を受けたのだ。

「見積もりを確認した後、葬儀社の方から『3000円の袋と5000円の袋を1つずつ用意してください』という指示がありました。お金は現金でという指定です。その金額はどこにも明記されていませんでしたが、おそらく“心付け”だろうと察したので、そういうものかと特に疑うことなく承諾しました」(Aさん)

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