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相続制度変更に対抗する生前贈与の4つのテクニック 「特例」をどう使うかが重要

相続の制度変更で押さえておきたい生前贈与のポイントは(イメージ)

相続の制度変更で押さえておきたい生前贈与のポイントは(イメージ)

「相続の大改正」が注目を集めている。政府の課税強化の方針が明らかになってきたからこそ、対策を急がなくてはならない。目まぐるしく変わる「アウトとセーフの境界線」を知ったうえで、ギリギリのところで策を講じていく必要があるのだ。

「年110万円贈与」に激変

 昨年末の与党税制改正大綱で相続・贈与について大きな制度変更の方針が示された。注目を集めるのが、相続税の節税に利用されてきた「暦年贈与」を巡る改正だ。

 そもそも相続税は、亡くなった人の財産が基礎控除(3000万円+600万円×法定相続人の数)を超える部分について課税され、財産が多いほど税率が高くなる。

 そのため、財産を生前に子らへと「生前贈与」することで、将来の相続税額を抑えようとする人は多い。贈与税には年110万円の非課税枠(基礎控除)があるので、何年もかけて贈与を続ける「暦年贈与」は王道の節税策とされてきた。毎年110万円ずつ贈与すれば税金を払わずに子へ財産を移せるわけだ。

 今回の税制改正大綱に盛り込まれたのは、この暦年贈与の「持ち戻し期間の延長」だ。現行制度では、相続が発生した(親などが亡くなった)場合、直近の3年間の贈与については相続税の課税対象となる。“親が死にそうだから慌てて贈与する”という相続税逃れを防ぐ趣旨とされるが、その持ち戻し期間が2024年1月1日以降の贈与については3年から7年へと延長される方針が決まったのだ。

 岡野相続税理士法人の代表・岡野雄志氏の解説。

「節税のために年110万円の非課税枠を活用した暦年贈与を行なっていた人たちへの課税強化となるのは間違いないでしょう。たとえば子供2人に毎年110万円ずつの贈与をしていた人が亡くなった場合、持ち戻し期間が4年延長されたことで課税対象となる財産が約800万円増えることになります(延長された4年の期間の贈与のうち100万円は控除対象)」

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