家計

電気代「新電力プラン」大幅値上げ 慌てて従来プランに戻そうとする人を待つ落とし穴

慌てて電気料金のプランを変更すると意外な落とし穴も(イメージ)

慌てて電気料金のプランを変更すると意外な落とし穴も(イメージ)

 1月の電気代の明細書を見て愕然とした人も多いのではないか。電気代が高くなっているのは円安やウクライナ情勢により昨年から火力発電の燃料価格変動に影響される「燃料費調整額」が高騰しているからだ。これは特に、2016年の電力自由化以降に広まった「新電力」のプランで影響を受けやすい。都内に住む40代男性Aさんが言う。

「少しでも電気代を節約しようと、再生可能なグリーンエネルギーをウリにしている新電力に変えて3年が経ちますが、今年1月の電気代は3人家族で2万円超。昨年12月から1か月で5000円も上がり、ビックリして東京電力に戻すことを検討中です」

 電力自由化以降、電力の契約には大きく「規制料金」と「自由料金」の2通りがある。大手電力会社の従来プランである規制料金には消費者保護の観点から燃料費調整額の値上げ幅に上限があり、その上限を変更するには国の認可が必要になる。一方、新電力などの料金プランである自由料金は燃料費調整額の自由が利きやすく、各社が定めていた上限を撤廃したり、そもそも上限を定めていないなど様々なパターンがある。資源価格が安い時にはメリットを受けられるが、高い時にはもろに高騰分が電気代に転嫁されてしまうというデメリットがあるのだ。

 そのため、東京電力によると規制料金プラン「従量電灯B」では今年1月の標準的な家庭の電気料金が9126円なのに対して、自由料金プランの「スタンダードS」では1万1222円と2000円の差がついた。そうした背景から新電力をやめて大手電力会社の従来プランに戻す人が相次いでいるという。

急なプラン変更に落とし穴

 ただし、慌ててプランを変更すると思わぬ落とし穴が待っている可能性がある。電力・ガス見直しサイト「エネチェンジ」広報の中田都季子氏が指摘する。

「今は電気料金の契約を見直す時期ではないと考えます。慌てて規制料金に変えても、大手電力各社は規制料金プランで大きな赤字を出しているため春以降に大幅な値上げが待っています。たとえば東京電力では6月から約30%の値上げを国に申請中で、自由料金と差が出ないような値上げが行なわれる予定です。

 また、自由料金の契約のなかには違約金を設定しているケースもあり、解約のタイミングによって無駄なお金を払わないといけない場合もある。そもそも新電力の自由料金は大手電力会社の料金プラン改定を受けて見直されるのではとみています。4月以降に安い自由料金プランが発表される可能性もあるので、今は動かずに各社の料金プランが出揃うのを待つのがいいでしょう」

 動向を見極めたうえで動くのが吉のようだ。(了)

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