ソーラークッカーでご飯が炊け、パウンドケーキも焼ける
2011年の東日本大震災による停電をきっかけに電気のない暮らしができないかと考え、現在に至るまで電気代0円生活を送っているのがフジイチカコさんだ。
「最初は節電をするくらいの軽い気持ちでした。まずは契約していたアンペア数を半分に落とすと、電気代が驚くほど下がったんです。電気工事士にソーラーパネルを設置してもらうと、さらに電気代が安くなりました。これに自信を得て、自分で使う電力くらいは自分で作ろうとソーラーパネルを増やし、電気メーターの接続の線を外したところ(電気契約を解約)、電気代をかけずに暮らせることがわかったんです」(フジイさん・以下同)
太陽光が生み出すエネルギーには限りがあるので、まずは家電製品の見直しをしたという。エアコン、冷蔵庫、除湿機、テレビは手放し、洗濯機は全自動式をやめて二槽式に。
「すすぎゼロの洗剤でつけ置き洗いをして脱水機にだけ電力を使っています。梅雨時などでソーラー発電ができないときは、靴下や下着などの小物だけ、サラダスピナーを使って洗濯から脱水まで行います。真夏は脱水せずにベランダに干し、水を滴らせることで打ち水代わりにしています」
太陽が出ている日は料理日和。太陽光を集めて食材を加熱する器具・ソーラークッカーを使い、火を使わずに調理する。
「クッカーの中に食材を入れて、後は放置。器具の中は200℃を超えるので、揚げ物もでき、ケーキも焼けます。クッカーが使えない日は保温鍋を活用し、少ないガスで調理します」
こうした工夫のおかげで12年半で電気・ガス代合わせて100万円近くを節約したという。まねられる点を取り入れれば、より節電できそうだ。
【プロフィール】
フジイチカコ/染織作家。東日本大震災をきっかけに、2012年9月から電気代0円生活を始める。災害時にも役立つ暮らしを目指して工夫中。著書に『ソーラー女子は電気代0円で生活してます!』(KADOKAWA)。
写真提供/フジイチカコさん
※女性セブン2025年5月1日号