テレビ朝日の弘中綾香アナの夫も保有株億万長者に
国税庁による「高額納税者ランキング」、いわゆる「長者番付」の公表が廃止されて20年が過ぎた。その後、“億万長者”を知る新たな指標となったのが、保有する株式の時価総額だ。経済ジャーナリストの森岡英樹氏が言う。
「本当の大金持ちを知る手掛かりは、保有する株式の時価総額を確認するのが世界でも一般的。特に近年はスタートアップの創業者が、新規上場や企業売却で大金を手にするケースが目立ちます」
事業の拡大に成功した起業家はIPO(新規株式公開)を目指すことが多いが、その舞台に「平成生まれ」の新世代が数多く登場し始めた。そこで本誌『週刊ポスト』は上場企業約4000社の決算書や大株主の情報などを整理する企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」協力のもと、有価証券報告書から「平成生まれ」で時価総額10億円以上の株式保有者を抽出。ランキングを作成した。
1位は保有時価総額2349億円のM&A総合研究所社長・佐上峻作氏(34)。AI(人工知能)を駆使したM&A仲介会社を2018年に立ち上げ、2022年に東証グロース上場を果たした2位は2024年に東証グロース上場を果たしたタイミー社長・小川嶺氏(28)。保有時価総額は448億円だ。他にも注目の億万長者は多い。
甲子園を目指しプロ入りも夢見た高校球児
クリエイターを支援するウタイテ社長・倉田将志氏(34)は保有時価総額54億円で12位に。
「ランキング1位のM&A総研・佐上氏と2016年に共同で女性向けメディアを運営するメディコマ(当時の社名はAlpAcA)を設立し、2017年、東証一部上場のベクトル傘下に。2018年末に2人揃って退任・バイアウトするまで、新規事業に挑み急成長。その後は互いに別の会社を成功させました」(森岡氏)
14位のトリドリ社長・中山貴之氏(35)の保有時価総額は39億円。インフルエンサーマーケティング事業を展開する同社は、2016年に創業後、2022年に上場。中山氏自身、チャンネル登録者数12万人の「まいめんちゃんねる」メンバーの1人だった。
16位に入ったプログリット社長・岡田祥吾氏(34)は、テレビ朝日の弘中綾香アナと結婚したことで話題になった。ジャーナリストの大西康之氏が言う。
「ネット上で英語学習サービスを提供する会社ですが、その事業スタイルが斬新。コーチのような人がついて短期集中学習をサポートする、言わば“英会話版ライザップ”です」(大西氏)
証券アナリストの藤本誠之氏は創業者の岡田氏をこう評価する。
「東海大仰星高で甲子園を目指しプロ入りも夢見た高校球児で、2008年夏の北大阪大会ではベスト4まで勝ち進んだ。ですが、1学年上の大阪桐蔭高の中田翔選手(現・中日)らを見てプロは無理だと諦めて引退後は猛勉強の末、阪大に合格した」