フジテレビ日枝久・元会長(左)に「株主総会に出席しなかった」真相などを聞いた
元タレントの中居正広氏と元アナウンサー女性Aさんとのトラブルで揺れるフジ・メディア・ホールディングス(以下、フジHD)。数々の潜入取材で知られるジャーナリスト・横田増生氏が同社株を購入し、株主として6月25日の総会に潜入した。しかし、問題発覚以降、公の場に一度も姿を現わしていないグループの“ドン”はこの日も欠席。疑問をぶつけるべく、横田氏が本人に電話をかけると……。日枝久・元会長の最新肉声の一部を横田氏が紹介する。(本文中敬称略。役職は株主総会直前のもの)
「そりゃそうですよ。体調が正常なら出ますよ」
──なぜ、今回の株主総会には出られなかったんですか。
「もう少し勉強してきてよ。骨が折れちゃって動けないんですよ」
──まだ、フジHDの相談役室には時折足を運ぶと聞いています。
「まったくのウソですよ。あなた、ウソを書いちゃいけませんよ。ボクが言っているんだから。間違いない」
──フジHDの社屋には行ってない?
「行ってない!」
──今回の株主総会に欠席されたのは骨折されたからですか。
「腰の圧迫骨折をしたでしょう。その後、自宅で2回かな、転んで、痛くて歩けないんですよ。だからしょうがないから、執行部に言ったら、無理はしないで結構です、ということなんで、出てません」
──ケガしてなければ出席されたのですか。
「それは分かりません。その時の状況次第です。今回のことはどうですかという質問なんで、体調が不良で出られませんでした、ということ。もしケガしなかったらって、そういう仮定の質問には答えられません」
──いや、それは答えられるんじゃないですか。
「だって、そんなこと想像もしないもん。(体調が)良くなったら出るとか出ないとか」
──去年までは毎年、(株主総会に)出ています。
「そりゃそうですよ。体調が正常なら出ますよ」
矛盾した話ではあるが、そこはもう突っ込むまい。日枝と縁を切りたい執行部からしてみれば、日枝が骨折のために株主総会に出席できないというのは、どちらの顔も立てる大人の方便なのだろうから。
それにしても、初めて聞いた日枝の声は、予想していたより陽気でソフトなトーンで意外な気がした。私自身、さまざまな人に取材したり、書籍・文献を読んだりするうちに、怪物じみた老人を思い描いていたようだ。
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※週刊ポスト2025年7月18・25日号