トランプ氏の判断に注目が集まる(写真・時事通信フォト)
7月20日の参院選で与党は過半数割れとなる大敗を喫したが、石破茂首相は続投する方針を明言。その理由のひとつとして、米国のトランプ政権との関税交渉の期限が8月1日に迫っていることを挙げた。このままでは8月1日以降は「25%」の関税が課されることとなり、市場関係者も交渉の行方を注視しているが、個人の投資家はどう考えて行動すればいいのか。
カブ知恵代表の藤井英敏氏は、「8月1日まで猶予があるとはいえ、このまま『25%』で決まる可能性が高いのでは。特に日本側が重視する自動車については引き下げが実現する可能性は低いと見ています」と語る。
ただ、トランプ米大統領が7月上旬、日本に対して相互関税25%を通告する書簡を公表して以降も、日経平均株価は大きく下がることはなかった。参院選の翌営業日となる7月22日も、日経平均が一時4万円を超える場面があった。藤井氏が続ける。
「ある程度、トランプ関税ショックは織り込み済みなのだと見て取れます。また、最近では市場関係者の間で『TACO(Trump Always Chickens Out=トランプはいつも尻込みする)』という言葉もあるくらいで、土壇場の交渉で関税が25%よりも下げられる可能性もゼロではありません。その意味で、交渉の行方が注視されている状況でしょう。
ただ、貿易不均衡を是正して米ドルの基軸通貨としての地位を保ちたいというトランプ氏の意識は強いということは見逃せない。また、関税引き上げについての結論が出る8月1日以降は、例年の夏枯れ相場もある。日経平均株価は3万8000~4万円ちょっとのレンジで揉み合う展開になると予想します」