テンバガー投資家X氏が投資デビュー時の失敗から得た教訓とは(同氏のXより)
5年8か月で運用資産561万円を10億円に増やした兼業投資家、テンバガー投資家X氏が失敗続きの投資から脱して「億り人」になれたのは、「IPO(新規公開株)セカンダリー投資」という投資手法に出会ったことがきっかけだった。だが、それまでの投資遍歴は失敗の連続だったという。株式投資デビューしたのは2003年秋、大学1年生の時。60万円ほどの余裕資金を元手に最初に買った銘柄ではどんな失敗をし、そこからどのような教訓を得たのか。
テンバガー投資家X氏が仕事やプライベートで忙しいなかでも株式投資で成果を上げられる手法を説いた著書『トイレスマホで「無限10倍株」3年9カ月で5975万円を稼いだ投資術』(KADOKAWA)より一部抜粋・再構成して紹介する。
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初めて買った銘柄は、アルバック(6728)という会社だったと思います。真空技術を持つ会社で、半導体やディスプレーなどの製造装置を展開していました。
当時、有機ELという新しいディスプレーの技術が登場しており、テレビなどで鮮明な映像を映し出せる技術として注目されていました。当時の僕は、新しく画期的なテクノロジーを持つ企業なら業績が飛躍的に伸びて株価が上がるはずだと期待し、投資したわけです。同様に、有機EL関連の事業を行うトッキ(キヤノンによる子会社化で上場廃止)の株も買ってみました。
しかし、有機ELというテーマそのものが盛り上がって一時的に株が買われることはあっても、その上昇が長続きすることはありませんでした。一時的に利益が出たところでうまく売る、ということができればよかったのでしょうが、そのタイミングもよくわかりませんでした。
今だからわかることですが、新しい技術が企業の業績を上げるまでには長い時間がかかり、それが何十年も先になることも珍しくありません。こうした息の長いテーマで将来のポテンシャルだけを頼みに、限られた資金を投資するのは効率的ではありません。しかも、有機ELは日本メーカーが量産化に失敗して撤退したので、二重の意味で失敗でした。