高市政権が掲げる「17戦略分野」に追い風はどこまで吹くか(写真:Getty Images)
2025年に日経平均株価は史上最高値の5万円を突破、AIや半導体関連が市場を牽引したが、2026年の相場ではどの分野、銘柄を狙えばいいのか。
日米など世界の高配当株・増配株に長期投資して資産2.2億円を築き、2025年には『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)を上梓した“億り人”投資家・おけいどん(桶井道)氏は、「高市早苗首相が設置した日本成長戦略本部が打ち出した17戦略分野に投資する選択肢が有望」と指摘する。そのなかでも特に注目する分野、銘柄について、おけいどん氏が解説する。
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高市政権となり、社会も相場も一気に明るくなった印象です。日本は成長する、未来に希望が持てると感じている方も多いのではないでしょうか。
私自身、高市首相が早々にASEAN(東南アジア諸国連合)、日米首脳会談、APEC(アジア太平洋経済協力会議)と外交を次々に成功させる姿は頼もしくも、誇らしくも感じました。内政でもガソリン暫定税率を12月廃止の方向で動き、日本成長戦略本部も立ち上がりました。高市政権は仕事が早い印象があります。まさに「JAPAN IS BACK」です。個人的には安倍晋三元首相とアベノミクスを思い出しています。
「国策(政策)に売りなし」という格言があります。投資家としては、日本成長戦略本部が打ち出す戦略分野に投資する選択肢もあるでしょう。戦略分野に位置付けられる見通しとなった17分野は下記のとおりです。
【1】AI・半導体
【2】造船
【3】量子
【4】合成生物学・バイオ
【5】航空・宇宙
【6】デジタル・サイバーセキュリティ
【7】コンテンツ
【8】フードテック
【9】資源・エネルギー安全保障・GX
【10】防災・国土強靭化
【11】創薬・先端医療
【12】フュージョンエネルギー(核融合エネルギー)
【13】マテリアル(重要鉱物・部素材)
【14】港湾ロジスティクス
【15】防衛産業
【16】情報通信
【17】海洋
以上の17分野に該当する銘柄には、追い風が吹くと考えられます。とはいえ、個人投資家としてこれだけ広範囲に投資するのは現実的ではないでしょう。自分が興味のある分野、自分が理解できる分野、自分が成長してほしいと思う分野、自分がこの分野なら日本企業にも結果が出せるだろうと感じる分野に焦点をあてるとよいでしょう。
投資分野を選ぶとき、需要が増え続ける分野を選ぶことが勝ち筋です。需要が増える分野・企業は、それに応えて「供給を増やす→企業は増収増益→株価上昇」という、極めて分かりやすい流れが生じるケースが少なくありません。国として大きな課題となっている分野の企業がソリューションを提供すると、企業業績も良くなり株価上昇に期待できるということです。
上に挙げた17分野であれば、国策ですので需要は増えると見てよいでしょう。とはいえ、早期の政権交代により成長分野から外されるリスクも頭に入れておきたいところです。かつ、分野によっては世界的な需要動向も見定めたい。
今回は17分野のなかから、特に注目度が高い「AI・半導体」をクローズアップし、解説します。
【プロフィール】
桶井道(おけい・どん)/個人投資家(投資歴27年)・物書き。1973年生まれ。世界中の優良株・ETF等を100銘柄以上保有し、高配当株および増配株を買ったら放置する「ぐうたら投資」を極めてから資産成長を加速させる。2020年に資産1億円とともに退職して自由となり、2025年10月には2.2億円に到達。著書に『普通の人のための投資 いちばん手軽で怖くない「ゆとり投資」入門』(東洋経済新報社)、『時をかける貯金ゼロおじさん 35年前に戻った僕が投資でゆっくり「億り人」になる話』(KADOKAWA)など6冊。
Xアカウント:@okeydon
