老朽化した実家が“意外な価値”を持つケースも(写真:イメージマート)
老朽化や空き家の問題も付随するのが、親が住む「実家」。処分するか相続するか悩む人は多い。選択次第で思い出深い実家は価値ある財産にも、大きな負担にもなる。その境界線はどこにあるのか。
古い家でも意外な価値を持つ“原石住宅”の可能性
不動産エージェントの八巻侑司氏(らくだ不動産執行役員)は、老朽化した自宅について「いずれ空き家になるからと、即、解体・売却を決めるのは早計」と指摘する。
「地方都市でも、昭和時代に造られた『ニュータウン』のようなエリアはアクセスが維持され、周辺で再開発計画などが予定されていれば、再び人気が再燃する可能性は捨てきれません。売却するか迷ったら判断を一旦保留し、借主の権利が強い『普通借家契約』ではなく『定期借家契約』で賃貸に出して、契約期間終了に合わせて売却を再検討する道もあります」
さらに、郊外や農村部の古い自宅であっても、不動産市場で意外な価値を持つ“原石住宅”の可能性が十分にあるという。
「たとえば田舎の旧家に見られる『蔵』や日本家屋の『欄間』、庭の『池』『桜の木』などは、海外の投資家や若者向けなど各方面における古民家活用ビジネスで需要があります。同様に、『大きな屋根裏部屋』や『地下室』を備えた物件も、趣味やテレワーク用の仕事部屋、倉庫など幅広い活用法があり、潜在的なニーズは無視できません」(八巻氏)
時代と共にトレンドが移り変わるなかで「希少性」を持つようになった住宅もあるという。
「自身で『ただの古い家』と思っていても、視点を変えれば『他にはない魅力的な物件』の可能性があります。特に1970年代から1980年代に建てられた戸建ては、間取りがシンプルでリフォームの自由度が高い物件が多く、再生住宅として高いポテンシャルを秘めている。核家族だと手に余るような150~200平米の広い住宅も、昨今の不動産市場ではかえって希少性が高く、根強い需要があります」(同前)
解体を決める前に、プロの査定を一度は受ける価値はありそうだ。
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※週刊ポスト2026年1月30日号
