サブスク契約が残ったままだとどうなるか?
サブスクサービスは生活の質を上げてくれる一方で、契約の管理が難しい面もある。では、故人が残したサブスクサービスの契約はどうなるか。『世界一楽しい!会社四季報の読み方』などの著書がある個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さんが解説するシリーズ「さあ、投資を始めよう!」。第174回は、「死後のサブスク」について。
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みなさんは、自分が利用しているサブスクリプション(定額制サービス)をすべて把握していますか? 動画配信、音楽、オンラインストレージ、はてはサプリメントや定期便のコーヒーまで、月額数百円から数千円という「痛みを感じにくい金額」は、QOL(生活の質)を上げてくれます。一方で、契約したままこの世を去ってしまうと、これらは自動課金の「サブスク地獄」へと変貌します。
友人の実例です。亡くなったお父様が契約していたマニアックな海外の動画配信サービスと、複数の有料メルマガ。これらが毎月、遺されたクレジットカードから淡々と引き落とされ続けていました。家族が解約しようにも、お父様のスマホはロックがかかって開かない。IDもパスワードも不明。サービス元に問い合わせようにも、海外サイトで窓口がどこかもわからない……。
結局、カードを止めることで物理的な決済は阻止できましたが、今度は未払い通知のメールが(誰も見られないスマホの中に)溜まり続けるという、なんとも後味の悪い結果になったそうです。中には、カードを止めただけでは契約自体が終了せず、後日「延滞利息」を含めた請求書が届くケースさえあります。
なぜカードを止めるだけでは不十分なのか?
経済的な視点で見ると、サブスクは「契約」です。クレジットカードはあくまで「支払い手段」に過ぎません。水道光熱費をイメージしてください。カードを止めても、水道を止める手続きをしなければ、基本料金の請求権は発生し続けます。
特に厄介なのが、「Apple ID」や「Googleアカウント」経由の課金です。これらはプラットフォームという巨大な門の中に守られているため、家族が外側から「中にあるこのアプリだけ解約して」と叫んでも、門番(運営会社)は本人の確認が取れない限り、なかなか門を開けてはくれません。
