世界初の量産型ハイブリッド乗用車であるトヨタの初代「プリウス」。トヨタ博物館にて筆者撮影
鉄道は、多くの人にとって交通の手段としてだけでなく、趣味や娯楽の対象としても親しまれており、ときに人の知的好奇心を刺激してくれる。交通DXジャーナリストの川辺謙一氏による連載「鉄道の科学」。第37回は「ハイブリッド車」について。
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今回のテーマは「ハイブリッド車」です。自動車業界ではすでにメジャーな存在になっていますが、鉄道にも「ハイブリッド車」は存在します。今回は、そのおもな種類と特徴を紹介します。
そもそも「ハイブリッド車」とは?
まず、「ハイブリッド車」の概要にふれておきましょう。「ハイブリッド車」の「ハイブリッド(hybrid)」という言葉は、本来「異なるものを組み合わせる」「混成」といった意味を持ちます。自動車における「ハイブリッド車」は、一般的にエンジンとモーターの両方を使って駆動する車両を指します。厳密に言うと、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)や燃料電池ハイブリッド車(FCV)も存在しますが、台数では先述した「ハイブリッド車(HV)」が圧倒的に多いです。
このように複数の動力などを混成させた「ハイブリッド車」は、鉄道にも存在します。ここでは、その代表例として「ディーゼルハイブリッド車両」「架線蓄電池ハイブリッド車両」「燃料電池ハイブリッド車両」を紹介します。
ディーゼルハイブリッド車両
JR東日本のディーゼルハイブリッド車両(キハE200形)。小海線の営業列車に投入されている。筆者撮影
「ディーゼルハイブリッド車両」は、ディーゼルエンジンとモーターの両方で駆動する車両です。近年日本の気動車では、ディーゼルエンジンを発電のみに利用する電気式気動車が増えています。日本の「ディーゼルハイブリッド車両」は、ディーゼルエンジンで発電し、モーターで駆動するしくみに、大容量の蓄電池(バッテリー)を組み合わせたものです。
日本で最初に営業列車に投入された「ディーゼルハイブリッド車両」は、JR東日本のキハE200形です。JR東日本の公式サイトには、「発電用ディーゼルエンジンで発電した電気と蓄電池に充電した電気を効果的に利用して走行する、世界初の営業運転を行うハイブリッド車両」と記されています。

